名前を失い、新たな生を受けた者を観察した者の日記データ
この記録は、決して公に残す事もできなければ、本人の目に届くことも無いだろう、けれど私は貴方数少ない人生の記録としてこれを残す。
繝?け繝ュそれが、この場所で失う事になった貴方の本当の名前。
貴方は、この世の異物でありながら、確かにこの場に存在している、誰も彼もが繝?け繝ュであるという事を認識はできないし、知る事はできないでしょう。
繝?け繝ュと言う名は、決して誰も覚えていないけれど、確かにあの時間に生きていた事を貴方は貴方自身が証明していくことでしょう。
自分はここに居ると、自ら叫ぶのか、新しい名を、生を受け入れて、貴方自身も忘れてしまうのか、それは私に予想出来る事ではないけれど。
いつか貴方が自らの意志で、行動する事を私は祈っています。
決して貴方は、異物として排除された訳でも、存在を否定された訳でもないのだから、ただ私達に不都合があった、だからこそ私達は、貴方から名前を人生を奪いました。
憎んでくれて構わない、蔑んでくれて構わない、貴方が正しいと思うのならば、貴方の真実を暴露しても私は構わない。
私達は、貴方の幸せを望む資格はないけれど、私は貴方の幸せを切望します。
どうか貴方の人生に幸あれと。
貴方は決して運が良かっただけの人間ではないと、この世に生を受けた意味はあったのだと、私は信じます。
繝?け繝ュ、どうか貴方がこの文を見つける事を祈って。
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