幻島追走記
相田舞
プロローグ
1225年 オーガルフ島、漁師の記録
7日間、ずっと魚が捕れていない。潜り漁師の話では、海底に生えているはずの海藻がごっそりと無くなっているらしい……しかし、この数日間で海藻が減るようなことは起きていない。一体なぜ……
1615年 海賊の記録
甲板で見張りをしていた乗組員がいきなり船長室に飛び込んできた。船の下に大きな影が見えると。化け物が襲ってくると悲鳴をあげていた。急いで甲板に向かうと、船の何倍もあろう真っ黒な影が泳いでいた。よく見てみると、ウミガメのような形をしている。急いで戦いの準備をしたが、結局影は何もしてこなかった。
1874年ヌルガード帝国ハルマチフ港の記録
満月の夜だった。突然、島が現れた。この海岸から10キロメートルほどだろうか。確かに昼間にはなかった島だ。その島は亀の甲羅のような丘があり、その頂上に見たこともないような大きな建物が建っている。翌日、街の船乗りが調査に行くことになったが、朝になると島は忽然と消えていた……
『幻島』――1943年発刊 オードグリフォード著
……このようなさまざまな目撃証言、記録などから突然現れる幻の島は、実は巨大な亀だったのだと推定できる。……しかし、この島に上陸できた者はおらず、真相は何も明かされていない。……
『巨大亀を追って』――1968年発刊 ユナードローン著
……このように、海藻の大幅な減少で巨大亀がどこを通ったのかが特定できる。我々は巨大亀の遊泳ルートを特定するために、世界規模での調査を行った。……1954年4月、ヌルガード帝国ハルマチフ港付近を巨大亀が通過した。この場所には80年前巨大亀が出現したという記録が残っている。そのまま巨大亀はゼヂル洋の中央へ向かって行ったとみられる。……
???年ルジカ島の言い伝え
世界中全ての海を泳ぎ回る厄災あり。厄災は全ての魚を喰らい尽くし、海を空っぽにする。厄災は月夜の晩にどこかの海で島となり姿を現す。その島には宮殿が聳え立っており、中には宝が秘められているという。
幻島追走記 相田舞 @Aimai-Sekai
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