第14話 未公開ダンジョンの調査
メリル逹警備隊は大テントに入っていった、これから、明日からの計画でもたてるんだろ?
まあ、僕はスラを連れて僕のテントに入り込んで横になって、少し気配が気になっていたダンジョンの小さな入口を中心にマッピング!で少し調べてみた。
その入口?の先には、確かに大きな空間が広がっていて、ゴブリン、魔狼、魔蛇、奥の方には、オークの集団がいる森が広がっている。
階下、2階層にはゴブリンの村が2箇所、オークの村が2箇所、更に奥の岩山の麓の滝川が流れるあたりにオーガの村が出来ている。
これって・・・このダンジョンって、できたて?ではないよな〜
3階層には、まあ、大きな気配が潜んでいるな。これは、吸血鬼?バンパイアか? 尤もそいつの宮殿の前一帯にはアンデッドの住む場所が広がっているけどね・・・
バンパイアの宮殿の後ろに、このダンジョンのコアが置かれているようだ。
とりあえず、魔物が暴れて外に飛び出してくることは無いだろうけど、一応ダンジョンの入口には結界を張っておいた。これで、ゆっくり寝られそうだ・・・
朝食は、僕が運んできた警備隊の食料から指定されたものを出したら、今日の当番?の2人が用意を始めだしたけど・・・あの警備隊の鍋や携帯竈では?・・・と思って、僕の竈と大鍋を出してあげた。これくらいなら!って一応、メリル隊長も了解してくれたからな。
「昨日はおいしく頂いたが、今日からは実践だ! あまり隊員を甘やかせたくないので、ケンジが食事の用意をするのは、すまないが控えて欲しい!」って言われてしまったからね・・・
何を作るのかな〜って見ていたけど、これはまあ、スイトン?かな・・・
麦の粉を水で練って団子にして、野菜と、細切れ肉を鍋に入れて煮込むだけだ。
あれ? 味付けは? 塩が少しだけ・・・ 食えないことは無いだろうが。
僕も、荷物持ちとはいえメンバー扱いしてくれて、ソレを頂いたが・・・みんなには内緒で味噌を入れて食べた。
肉は、コッコーというものらしい。鑑定!では、家畜鶏って出てた。
食事が終わって、当然?のように僕はテントで留守番!となって、みんながダンジョン入口に向かっていったよ。他にすることもないので、マッピング!を展開して、いろいろ見ているけどね。うん? スラはどこに行ったって?
隠密!で、メリル隊長のリュックに忍び込んで付いてったよ。
(スラ? みんなが危なそうなら、隠れて援護してやってくれ!)
(主〜、わかってるよ〜 行ってくる〜) って、こいつは楽しそう!だな。
人一人入れる小さな入口からメンバーが続々と穴の中に入っていった。
一応、穴の近くに魔物がきていないことは確認したけど、まあ、危なっかしい女性軍団?だよな。そんな小さな入口から、確認もしないで?入っていくなんて・・・
ダンジョンの横壁を伝って、とりあえず最奥までいくつもりだろうな、そのほうが魔物にも気づかれにくいのかな? あっ!そうだよ、ナナミ魔道士が認識阻害結界でメンバーを囲んでいるようだ。先頭はメリル隊長か・・・その後ろにウラル剣士が続いて、ロラン回復士が付いて手書きで地図を書きながら、隣にナナミ魔道士がいる。その後は、エムラ弓士、殿はカロン剣士と一列になって壁際を進んでいる。奥まで行って、ぐるっと反対側の壁伝いに戻ってくるのかな? ここ、結構広いよ〜 そのペースなら、途中魔物との戦闘がなくても、帰ってくるのは、夕方だろうな・・・
夕食の準備・・・は禁止されてるから、まあ、じたばたせずにおとなしくしていることにする。
ミレッタに渡した「念話のペンダント」を思い出して、・・・実はあんな大きなダイヤでなくても良かったんだけどね、あれは、伯爵令嬢用だったから・・・
まあ、収納に捨てるほどあるオークの魔石を取り出して、錬金・魔法付与で、念話!を付与して、新しく「念話の魔石」を作った。どこか、ポケットにでも入れておけば使えるようにね・・・
一応、鑑定!
*念話の魔石:オークの魔石に念話魔法を付与したもの
・ケンジ制作
・魔石の魔力に応じて使える(初期状態で6ヶ月程度有効)
これを複製して6個作ってみた。あげる相手はまだ決めていない。
(主〜見てる? ゴブリンたちと魔狼たちが、水場で争っている〜)
うん? 見てなかった・・・なるほど、奥まで行ってからの折り返しの途中で、魔物たちの水場争奪戦かぁ〜 そのまま進むと巻き込まれるな。
(スラ! 姿を表して、メリルさんの体のどこかに触れることはできそうか?)
(うん? 出てもいいの? ちょっとやってみる〜 )
・・・・
(主〜できたよ、今、メリルさんに抱かれてる〜)
あああ・・・何だって? まあ良いや・・・
(メリルさん?聞こえますか? ケンジです)
(・・・・・うんん?・・・)
(メリルさん、良いですか、声に出す必要はありません、僕のことを思って話すようにしてくれれば・・・)
(・・・こうか? ケンジ? これは?)
(そうそう、それで良いです。念話です。スラを忍び込ませていたので、今、スラを通してメリルさんに話しかけています)
(わかった、それで?こうして連絡してくるってことは、この先に何かあるのかな?)
(はい、そのとおりです。その先しばらく行くと小さな川がありますが、そこで、ゴブリンの群れと魔狼たちが水場争いをしています、巻き込まれます! それとも、戦闘しますか? 調査がメインですよね?)
(そういうことか・・ありがとう・・・)
(君ならどうするのかな? )
(僕ですか?〜 スラを先行させて・・・処理するか、その場から引き離すように陽動させる、ってことかな?)
(何、このスライムにそのようなことが?・・・)
(平気ですよ、どうしますか? その間にそこを通り過ぎてしまえば良いことですから・・・)
(分かった、君がそこまで言うのなら信じよう! 少しお願いしても良いのか?)
(はい、任されました! では、スラを、現場に行かせてあげてください・・・)
と、抱っこしていたスラを地面に下ろしてくれたので、スラが現場に走り出した。
僕も・・・転移! で現場に移動。スラもやってきた。こいつ、瞬歩!を使ったな・・・
(スラ、二人でコイツラをやっつけよう!)
(うん、主〜 わかった。スラは、ゴブリンたちをやっつける!)
(分かった、じゃあ僕は魔狼をやろうかな・・・ 作戦開始!)
魔狼たち6匹を結界でくるんで、転送!してその場から離して、加重!をかけておいた。
そのスキにスラがゴブリン8匹に、火炎放射!で全員を炙り焼きにしている。
(主〜 終わったよ!)って僕のところへ来たので、じゃあ、次は魔狼たちに止めをさそうか・・・
(主〜 スラ、やっても良い?)
(良いけど、出来れば、燃やしたくないんだ・・・)
(分かった、ピカッというのを使えば良い?)
(できるか?)(できるよ、いつも、主の見てるし・・・)
ということでスラに止めを任せてみた。
驚いたね! 光射!で、魔狼6頭の眉間に小さな穴を開けて貫通させて完了!だ〜
(スラ! お前、凄いな〜 じゃあ、僕は戻るから)
(うん、大丈夫、任せて〜 また、メリルさんに抱かれれば良いんだよね?)
・・・・
「おおおお〜〜〜これは! スラあんたがやったんかい?」
すると、そこにはメリルの胸に飛び込んだスラがいる。
(うん、そうだよ! スラ、頑張った〜)
(そうか〜偉いなスラは・・・ありがとう!)
(ねえ、メリル? あの狼たち、スラがもらっても良い?)
(うん? 良いけど?・・・)
(うん、じゃあ、ちょっと行ってくる〜)ってスラが魔狼の死体を自分の体内収納に取り込んでしまったな、一瞬の出来事・・
(スラ! あんたって奴は・・・凄いじゃないか!)
もうスラは、自分の仕事が終わった!とでも言うように、メリルのリュックに潜り込んでしまった。なかなか出来た?ヤツだよ。
しかし・・・あいつ、勝手にメリルに話しかけてたな〜・・・まあ、良いか!
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