第11話 黒猫救出
エバンス伯爵の別荘の屋敷から出てきた。
さて、まずは黒猫の抜け毛を取り出して、鑑定!
*ミーヤ:黒猫
・飼い主:エバンス伯爵令嬢、ミレッタ
・好物:狭いところ、食べ物は生魚
まあ、お陰で魔力が識別できて記憶した。マッピング!して魔力反応を探す・・・
あれれ? 近いよね! 隣の屋敷だよ。鑑定!では、ダイソン男爵の屋敷。
まあ、調べてみよう・・・ 隠密! 何も言わなくてもスラも僕に合わせて消えたね・・・
門番はいるけど、一人だ。まあ、暇そうにしているな・・・
無視して、屋敷内へ転移! 黒猫の気配のある場所は、庭の隅の小屋の中か・・・
今そこでは、使用人が猫に餌を与えている。どうなっているんだ?
そこで待つのもかったるいので、屋敷を探ってみよう。
居間の奥にある書斎?に男爵がいる、ダイソン男爵本人。
執事だろうな?もう一人いて、何かを話している。 風魔法・盗聴!
(おい、あれは、ちゃんと生きているだろうな?)
(はい、男爵様、大丈夫ですよ、メイドを一人付けて、小屋から出すこと無く、餌を与えておりますので・・・)
(なら良い、もう少し面倒をみてから、私が見つけたということで、伯爵家に恩を売れる!というものだ・・・あの猫が、ミレッタ嬢のお気に入りのペットだったとはな・・・ワシにも幸運が回ってきたと言うものだ!ははは)
(はい、確かに! これで、伯爵をコチラ側に取り込めると良いですね・・・)
(なに! 大丈夫さ!この奴隷売買容認法案に反対するものも少数派になるだろう)
へぇ〜 これぞ、貴族絡み!のややこしいことが起きているんだな! まあ、猫が無事で良かったよ。
小屋に戻ると、もうメイドは戻っていったようでいない。中には猫だけだな。ドアには鍵がかけられていて、まあ厳重に監禁されているってことか・・
中に転移!して黒猫を見る。うん、無事な様子だな、しかし・・・少し元気がないように見える。構わず、ヒール! 回復! をかけてやった。
試しに・・・
(おい、黒猫!お前はミーヤか? ミレッタに頼まれて、お前を探しに来たんだが・・・通じないか・・駄目か・・・)
(いえ、聞こえてます!)って可愛い念話が聞こえてきたな・・・
(おお、お前、念話ができるのか!?)
(はい、生まれたときから出来ました・・・)
(ミレッタは、このことを知っているのか?)
(いえ、お嬢は、念話が出来ませんので・・・)
(そうか・・・まあ、たいそう心配して悲しんでいるぞ〜)
(ここの連中のやろうとしていること、分かっているのか?)
わからない!っていうので、先程つかんできた情報を、かいつまんで話して聞かせた。
(そうですか・・・私のせいで、お嬢や伯爵様に迷惑がかかるんですか・・・)
(まあ、安心しろ! そのために僕が来たようなもんだな!)
黒猫に、もう少しここで待て!って言って、収納から生魚の小さいのを2尾だしてやって、再度、ヒールと回復をかけて、クリーン!もかけてやった。
前に、どこかで買った生魚が入っていてよかったよ・・・
さて、男爵のところへ戻る。幸い書斎にはまだ男爵と執事がいたので、催眠!
机の上には、二人で話し合っていたんだろう、奴隷売買の帳簿が開かれている。
もう既に、そういうことをやっていたんだな。ご丁寧に販売先、仕入先の名前などがしっかり記載されている。
錬金で複製!した帳簿を魔法鞄に収納して、他にも、王家への税金支払いの裏帳簿なども回収して、二人も魔法鞄に回収した。
貴族街の入口に王家直轄の検問があったので、
「ダイソン男爵のところで騒ぎがあったようですよ〜」って伝えておいた。
そのまま男爵屋敷に戻って、門のところの警備兵を眠らせて、そこに、男爵と執事を取り出して並べる。
二人には、自白!をかけておいたから、目覚めれば、いろいろ話してくれるだろう。
黒猫の小屋に戻って、ミーヤを保護した。ミーヤに、(ちょっと屋敷の中とか、使用人部屋を走り回って、<私は逃げました〜> っていう状況をみんなに見せてから、ここへ戻ってくれる?)ってお願いしたら、(いいよ〜)って、さっそうと走り去っていったよ。
「猫が逃げ出した!」・・とかいろいろ騒ぎになっていたけど・・・
ミーヤを回収して、ミレッタの別荘へ移動。
黒猫を鞄から出して、抱きかかえて、門番に要件を伝えた。
「ああああ〜〜ミーヤちゃん! 無事だったの!?〜」
「はい、ご依頼の黒猫ちゃんですね」ってミレッタに渡したよ。
「ケンジさん! ありがとうございました!・・・改めて、明日また来てくださいませんか?」 って言われたので、今日はここで帰ることにした。
帰りがけに、家紋入のハンカチを渡されたので、まあ、預かっておきますか・・・
黒猫も無事でよかったよ・・・
夜は「住居」に入って、錬金でペンダントを一個、作っておいた。
朝一番で、冒険者ギルドへ寄ったけど、まあ、大騒ぎしてるよな〜
「海風」メンバーの捕縛。再鑑定の結果、全員、終身鉱山労働となったらしい。
それと、ダイソン男爵の自供と証拠書類の押収で、いろいろ不正が明らかになったようだとの噂話で盛り上がっている。
そのまま歩いて、ミレッタの屋敷へ向かう。
門のところで、ミレッタのハンカチを出すまでもなく、すぐに黒猫のミーヤが僕に飛び込んできた。
(やあ、おはよう、元気そうだな・・・)
(はい、ケンジ〜? ありがとう)
(まあ、良いって・・・)
「あっ!ケンジさん、おはようございます。ミーヤが急に走っていってしまったので、何かと思いました!」
「ああ、すっかり、懐かれましたかね? すみません!」
と、そのまま庭の東屋に通されて、散々・・・お礼を言われた。
それと、隣の屋敷のダイソン男爵が・・・とか、男爵の屋敷にどうやらミーヤが監禁されていて・・・そこから逃げ出した・・・とか、いろいろ情報が伝わっているようだ。
「ああ、そうですか、じゃあ、僕は逃げ出したその子をたまたま見つけられた!ってことですね・・・運が良かったです」
ミーヤが、「にゃあにゃあ・・・」僕の膝の上で騒ぎ出したけど・・・
(ミーヤ! あれは秘密!だからね、騒がないでくれよ・・・)
(でも・・・ケンジ〜が助けてくれたんでしょ?)
(まあそうだけどね、そういうのも、秘密!にしてくれるかな?)
(うん、わかった! ありがと!ね!)
「あれ? ミーヤとケンジさんは、なんか?お話ができてるみたい?」
「まあ、僕はこういうのを持ってますからね・・・」ってペンダントを出して見せた。
「これを身に付けていると、親しいペットとお話ができるんですよ、念話のペンダントです。前に、古代遺跡から発掘したものです。」
って、ミレッタの手に乗せてあげた。
まあ、そうだよね〜 物欲しそうな顔してるし・・・
「あの〜 よかったら、差し上げますよ!」
「えっ! でも〜 私のお小遣いでは・・・」
「・・・」
「金貨100枚までなら、なんとか・・・出せると思いますが・・・」
って、流石に伯爵令嬢だよ!
なので、依頼料も含めて、金貨5枚で譲ることにした。もちろん、僕の鞄やペンダントのことなどの秘密を守ってもらう。
その前に、実際に確かめてもらわなければ! だよな。
念話の仕方を教えて、今は、石だけだからね、手で握って、「ミーヤに言いたいことを頭で思って!語りかけてください!」
・・・・
「できました!〜 ケンジさん、これ凄い!です〜 本当に良いんですか〜」
「良いですよ、大切にしてくださいね! あと、くれぐれも、秘密!で!」
「はい! 解りました! 秘密!です!」
使用人さんがミレッタに言われた金貨5枚を持ってきたので、それを頂いて失礼することにした。
借りていた黒猫の持ち物などとミレッタのハンカチは返して、ギルドの方への依頼は、探しものが見つかったということで、取り下げてもらえるようにお願いしておいた。
(ミーヤ! 僕との秘密は・・・守ってくれよ! さよなら・・・)
「にゃあ!」
*念話のペンダントをミレッタ嬢に大特価で譲った
僕が門から出てしまうまで、ミーヤの鳴き声が聞こえていたな・・・
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