第9話 街へ入る 

そうそう、街へ入るのに身分証は? 収納を確認してみたら、前に使っていたCランクの冒険者カードがあったけど、これ、今度も使えるのかな? 他に探してもないから、まあこれを出してみよう。


念のために、鑑定!

*Cランク冒険者カード

・登録者:ケンジ 

・従魔登録:スライム:スラ


ほら! 前には無かった項目が追記されてる。なんて今回が初めてだからね・・・


街への検問はCランクカードですんなり通過できた、スラも僕の肩の上で、街を見て喜んで跳ねているしね・・・


「このスライムは?」

「従魔です、問題ありません・・・」

「そうですか、何かあれば・・ということもなさそうですね、どうぞ!」

って、笑って通してくれた。


さて、両替所は・・・大抵は検問のそばにあると思ったけど、この街は、いきなり商業ギルドが建っているから、まあ、そこでするんだろうな・・・

ギルドへ入っていくと、両替の看板が見えたので、そこへ向かう。

出所の明らかな金貨は、召喚され、追い出されたときにもらった、アカペリ王国金貨だけなので、それを出して、「これ、両替できますか?」

「ああ、アカペリ金貨ですね、大丈夫ですよ・・・アカペリ1枚で、我が国バンス王国金貨4枚と両替できます・・・」

えつ、4枚にもなるのか?

なので、アカペリ金貨を2枚出して、バンス王国金貨8枚に両替してもらった。


*両替:アカペリ金貨2枚=バンス王国金貨8枚


「あの〜こちらでは、金塊の買取はしていただけますか?」

「はい、大丈夫ですよ、向こうの買取窓口に行ってください」

と、言われたので、窓口で、金塊を買い取って欲しいと申し出たら、

では、こちらに!って、金属製のパレットを出されたので、そこに、2kg金塊を乗せた。

何か、こちらからは見えないが、鑑定分析結果が表示されているんだろうか・・・

「はい、純金100%、綺麗な金塊2kgですね・・・」

そう!ですけど、まあ、正確に判定できるんですね〜

「2kgですと・・・バンス金貨で、160枚の買取になります」

うん? 思っていたとおり、そのままか〜 ・・・(金貨一枚10万円相当か)・・・ まあ、こちらの世界の相場がわからないからね、それで了承して、買い取ってもらうことにした。

「大金貨を混ぜますか?」 うん?大金貨? わからないから、「はい!」

ということで、出されたものは・・・

*バンス大金貨:1枚(=金貨100枚相当)

*バンス金貨 :60枚

手数料は取られなかった。ま、手数料込ってことだな。

大金貨があるんだ〜 金貨100枚相当か〜 ここの物価はどうなんだろう・・・


ちなみに、

バンス大金貨=バンス金貨100枚

バンス金貨 =バンス銀貨10枚

バンス銀貨 =バンス銅貨10枚

ということだった。 あと、鉄銭もあったけど、まあ、それは良いや・・・


この街で歩いてもおかしくないように、服装を整えよう。

中央市場へ向かう大通りに洋品店があるということで、歩いて向かう。


店に入って、展示されている服装から選んでもらって、上着とシャツ、ポロシャツみたいなのと、下着と、ズボン、ブーツを買い込んだ。

上着は、ポケットの多いのにしておいた。

フォーマル? まあ、要らないしね・・・

シャツとポロシャツは2枚ずつ買って、全部で、銀貨3枚でお釣りがきた。

銀貨1枚は1万円相当かな?

ちなみに〜って聞いてみた。

「使用人を雇うには月額いくらくらいが相場でしょうか?」

「よくできる人なら、金貨1枚、下働き程度なら、銀貨1枚くらいでしょうか・・」

「ああ、ありがとう、ちょっと、着替えてしまいたいのですが・・・」

「ああ、構いませんよ、奥へどうぞ!」


予想通り、金貨1枚は10万円相当だよな・・・これで、銀貨10枚。

それにしても、アカペリ金貨は高価だったんだ!

「あの〜、アカペリ金貨というものをご存知でしょうか?」

「ああ、知ってますよ、古銭ですね。何でも、金が多く含まれているというので、人気の古代金貨ですよ・・・」

「ああ、ソウなんですね〜、僕も見てみたいものです!」

「商業ギルドで、以前、金貨5枚で売られてましたからまた出てくるのでは?」


なるほど、5枚で売るのか〜!


奥へ案内されて、買ったものに着替えて出てきた。ウエストバッグはそのまま腰に巻いて、剣はまあ、収納へしまっておいた。必要ならすぐに出せるし。

新しいブーツは、歩きにくいかな〜って思ったけど、これ、なかなか良いよ、でも、蒸れそう・・・あとで、魔法で細工をしておこう! 錬金、便利!

店を出て、少し歩いて、大通りの端のほうにベンチがあったので腰掛ける。

まあほとんど誰も、こんなところのベンチには座らないのだろうか? みんな足早に歩いていく。

ブーツを脱いで、手を当てて、錬金・加工!で、魔法を付加しておく。清浄! 適温! 自重軽減! サイズ自動! このくらいで良いだろう・・・


あとは、食べ物を買い溜めておこう!

何でも良いけど、(スラは、何か食べたいものはあるのかな?)

(主〜、スラは何でも食べるけど、果物が好き! 甘いのも好き! 肉も好き! )

なんだそれ! 何でも良いのか!〜


とりあえず、果物屋、お菓子屋、肉屋、八百屋を回って、適当に買いまくった。

なんで、ここで、金貨1枚も飛ぶんだろう!


あっ、そうそう、思い出したよ、エリクサー、あれいくらで売れるのかな?

また、商業ギルドへ戻って、買取窓口へ向かう。

「まあ、ケンジさん? 何か忘れものですか?」

って、凄いな、もう僕の名前を覚えたのかな?

「ええ、こんなものは買い取ってもらえるのかな〜って・・」

エリクサーを2本出してみた。

「これは・・・ポーションですか? いえ、色が違いますね〜 ちょっと待ってください」

って、席を外して、鑑定機器の並んでいるところで、鑑定・分析しているようだ。

戻ってきて、で囁かれた。

「ケンジさん! これって・・・エリクサーですね、しかも、まだ、新鮮そのものですが・・・どうされたんでしょう?」

「まあ、そのあたりは、・・・秘密です・・・」

「ああ、そうでした! すみません。」

「いえいえ、まあ、それ本物ですから、存分に調べていただけければ・・・」

「はい、2本とも間違いなく本物のエリクサーでした!・・・2本で、金貨100枚で買い取ります」

うん・・・一本金貨50枚か〜 比べようがないので、それでお願いして買い取ってもらった。


*エリクサー=金貨50枚 2本を売却、バンス金貨100枚


「ありがとうございました〜 ケンジさん、その服、素敵です!〜」

(ああ、そうですか、ありがとう! ・・・)



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る