第14話 やっちゃった……

※百合表現が含まれます。ご了承ください。



 美嗣はアリアナを連れてハウスに戻った。

 今は3階の数人用部屋へ移れたので、ベッドが3つ用意されている。病院のベッドのように一つ一つ仕切りのカーテンがあるので、互いの目を避けることができる。美嗣はアリアナを奥のベッドへ案内し、カーテンを閉めて脱ぎ終わるのを待っていた。1分くらい経って声をかける。


「もう脱いだ~?」

「は、……はい、どうぞ」


 か細く震えた声が聞こえてきた。美嗣はカーテンを開けて中に入ると、一糸纏わぬ姿のアリアナがベッドの上にいた。お団子結びにしていた髪はほどかれ、ウェーブのかかった金髪が白魚のような肌にかかる。毛布で前を隠しているが光に透けて、豊満な胸と美しいくびれがくっきりと見えていた。


「あの、その……はじめてなので、優しくしてください」

「えっ、ええ?何のこと?」

「ふっ、服を脱げという事はこの身を捧げろという事ですよね?不束者ですが、わたくしの処女を貰ってください」


 私、今ここで『オス』になります!

 美嗣は本能のままベッドに飛び込み、アリアナを押し倒す。しとねに横たわる美しい肢体とたゆむ巨胸を凝視し、涙できらめく碧い瞳を見つめながら、頬を撫でた。


「ふっふふ!神に仕える聖女様が淫靡な事ね?そんなに私に抱かれたかったの?」

「ううっ、あうっ……」


 アリアナは目を潤ませ、頬を赤らめながら、顔をそらす。恥じらう姿が余計に欲情を高めて、美嗣は獣のようにアリアナを凌辱した。

 いやいや、本人は合意しているから合法だよね!え、ただのスーパーセクハラ?そんなぁ……。

 アリアナとの情事を済ませた後、ミツグは閲覧ブロウスを使いアリアナのステータスを確認する。


……

アリアナ レベル40

所属 冒険者協会

誕生日 8月12日

恩恵レベル 無凸

加護 水

……

武器  なし

礼装  なし

装備  なし

……

体力  9852

攻撃力 354

防御力 841

神力  201

加護力 24.2%

耐性力 12.2%

蓄積率 21.1%

練度  15.0%

運   3,6%

……

通常攻撃 レベル1

スキル  洗礼の陽光 レベル4

奥義   神聖なる拝跪 レベ4

……


 ん~、やっぱアリアナは基礎体力が高く設定されてるな~。彼女は体力に応じて回復量が決まるキャラで、初期のお助けヒーラーである。おまけに、顔もプロポーションも性格も良しという3拍子揃っている人物なので、彼女に心と性欲と財布をぶち抜かれたプレイヤーは多くいだろう。美嗣もその一人だ。冷静に考えたら、そんな彼女と一線を越えてしまったというのはやばくないか?


 賢者タイムに入っている美嗣と違い、アリアナは今だに惚けていた。美嗣も先程の情事を思い出してにやけてしまう。だが、一先ずは武器と礼装を決めていこう。


……

武器 水霊の杖 レベル80 攻撃力412 蓄積率54.2% 神力を基にスキルダメージ+15%、スキル効果+15%、パーティー全体の蓄積率を10%上げる。

……


 ああ、ゴミ武器だな。

 いや、正確にはゴミではない。神力を基にスキルが強化できるのはいい効果だけど、アリアナには全く噛み合っていない。さっきも言ったように彼女は体力に応じて回復量が決まる。なので武器は体力が上がる武器か、体力を基準にスキル、奥義が補填できる武器が望ましい。


 美嗣はアリアナ用の武器を用意しておいた。『盾』であった。ゲーム内では武器種のチェンジは出来ず、杖キャラを盾キャラには出来ない。でもこの世界ではそのメタ要素はなくなり、剣キャラの美嗣も盾を持つことができ効果も発動された。


……

武器 気骨な意志 レベル90 防御力502 体力32.8%

攻撃を受けた後シールド力が+20、12秒間パーティー内の攻撃速度が上がる。

……


 盾はシールド性能がある。

 なので盾キャラはシールダーの位置付けとなっている。シールダーは戦闘中に主人公のダメージを軽減、またはカットしてくれるキャラだ。アリアナが盾を持ってもシールダーにはなれない。武器効果も得られないが、【聖光の導き】が手には入るまでの繋ぎとして持たせておこう。


 シスターに盾を持たせるのは女子高生に銃を持たせるようなギャップと背徳感があって良いですな~。礼装はこのままでいいだろう。清廉で淑やかな修道服に隠しきれんばかりの豊満な胸がたまらんのよ~。


 アリアナの装備が決まったところでカインが戻ってきた。彼は肌着姿で放心しているアリアナと修道服を持っている美嗣を見て、嫌な予感がした。


「まさか、シスターを襲ったんじゃないよな……」


 ああ~、まさかのヤっちゃいました!とは言えない。でも、仲間になった事を伝えたくて美嗣は親指を立てて『手懐けといたよ!』と笑顔で答えた。カインの顔が更に引きったのは言うまでもない。

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