第80話

「…空、だいじょぶ?痛くない?」

 僕を覗き込んでくるりっくんの汗が、ぽたりと胸に落ちてびくっとした。

「だ…だいじょぶ…。いたく…ない…よ?」

 入ってるだけで気持ちいいのに、動いたらどうなっちゃうんだろう。


「…あ、ちゃんと勃ってるもんな、よかった。ちょっとはいい?」

「…い…わないで…っ、あん…っっ」

 ちょっと、じゃない。りっくんと繋がってるところから、じんじんと痺れるような快感が広がってきてる。


「すげぇ、空、なんか…びくびくしてる。感じる?」

 りっくんがゆっくりと腰を引いた。抜かれていく感触が足の先の方までぴりぴり伝わってくる。

「んあっ、あ…あ…っ」 

 触ってほしかったとこ、当たった…っ

「…やっぱここ、いいんだ」


 僕を抑え込んで、りっくんが舌舐めずりをした。

 僕の声の上がるポイントを、硬くて丸いりっくんの先端でゆるゆると撫でる。

「…あ、あ、あ…っ、すっごい…っ」

 どうしよう、脚が、腰が、止まんない…っ

「うわ、すっげやらし…。空、気持ちい?」


 揺らされながら、うん、うんって頷いた。

 どうせ隠せないから素直になった方がいい。

「さっきもイッたのにすげぇ出てるもんな。顔もとろとろだし。かわいー…」

 でもそこを見られるのはやっぱり恥ずかしい。


「…りっくんキス…っ」

 手を伸ばしたら、指に指を絡められた。

 恋人繋ぎでベッドに繋ぎ止められる。りっくんがクスって笑った。


「やっあっあっあ…っ」

 浅いところで出入りしていたりっくんが、ぐぐっと奥まで入ってくる。

 内壁を擦り上げられて目の前がチカチカした。

「キスするにはくっつかないと、な?」


 身体の奥の奥。とんって当てられると腰が揺れる。止まれない。

 すっごい気持ちいい

 舌を出してキスをせがんで、口の中を舐められながら身体の奥を抉られた。

 

 おかしくなる

 こんなことばっかりしていたくなる


 飲み込みきれない唾液が口の端を流れていって、りっくんがそれを舐め取った。

「…すっげぇ。俺そろそろやばい。空、気持ちよすぎる…」

 りっくんの顎から汗がぽたぽた落ちてくるのがくすぐったい。


 ごめんなって言いながら、りっくんは絡めていた指を離して、僕の脚を抱え直した。

 より深くりっくんが入ってくる。そのまま腰を回されて背中がのけぞった。


 すっごい気持ちよくて怖い


「…っくん、りっくん…っ」

 どっか、りっくんのどっかに掴まりたい。

 呼びかけながら手を伸ばしたら、上体を倒してきてくれたから背中に手を回した。ぴしゃりとした感触。

 汗びっしょりだ、りっくん。


 荒い息をしているりっくんが、流れる汗に目をすがめながらちゅってキスしてくれた。

 キス…しょっぱい


 りっくんの揺さぶりが、ちょっとずつ激しくなっていく。

 見慣れた天井がぐらぐら揺れる。


 なんかきてる…っ

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