初彼

第49話

　見下ろされてドキドキする。

　こんな角度でりっくんを見るのは初めてだ。

　りっくんの唇が額に触れて目を閉じた。

　頬にもちゅって口付けられて顎が上がる。

　思わせぶりに何度か頬に落ちた唇が、ごく軽く僕の唇に触れた。

　それだけでもう、胸が張り裂けそうになる。

　りっくんの唇が僕の唇を柔らかく啄んで、熱い舌が割り入ってきた。

　舌が触れ合うとぞわっとする。

　身体の奥から、熱いものが湧き上がってきてしまう。

　触れ合う唇が、溶けてしまったように感じた。

　頭の中もぐずぐずになっていく。

　胸がドキドキして苦しい。

「…空、これ、このまんまじゃ帰れないね…」

「…あ…っ」

　身体を下から撫で上げられて、ひくりと腰が跳ねた。

「可愛いね、空。キス、気持ちい？」

　言葉を、口移しされてるみたいだ。そしてまた唇を塞がれて喋れなくなる。

　でも言葉にして言わなくても、身体が全部応えてしまって恥ずかしい。

「…俺もなあ、…ダメだなこれは」

「え…っ」

　ぐいっと脚に硬いものを圧しつけられて目を見張った。

　りっくんが、ふふっと笑ってまた僕にキスをする。口の中を舐め回しながら、大きな手のひらが身体を探る。

　カットソーの中に忍び込んできた手がお腹に触れた。

　…あ…っ

　ボタン…外された…っ

　心臓が爆発しそうなくらい強く打ってる。

　完全に反応している性器の上を、ファスナーが下されていく。

　その振動にも身体が震えてしまう。

「…は…っ、やば…っ」

　かわいい、っていう呟きが口の中に吹き込まれた。一度手が離れて、りっくんはベッドのヘッドボードを探った。

「飛ばしちゃったらね、後始末大変だから」

「…え？」

　長方形の箱の中から、小さなビニールの繋がったのが出てくる。それをりっくんが二つ、切り取った。

「サイズ合わなくてもまあ、大丈夫っしょ」

　ちゅっ、とまたキスをして、りっくんはその小さいビニールをぴりぴりって破った。

「…見たことはあるだろ？ゴム」

「え…あ…」

　性教育の授業で、見たには見た、けど…っ

　りっくんの大きな手が下着にかかってびくっとした。

　その反応を見たりっくんが、クスッと笑って僕に深く口付けた。

　さ…っ、触られてる…っっ

　舌を絡めながら勃ち上がった性器を握られて、僕はもう達してしまいそうになってる。

「もちょっとガマンして、な？」

　潤んできてる僕の先端に、りっくんがゴムを当てた。そのまま下に扱くように下されて腰が捩れる。

「…っくんりっくん、も…」

「やばい？かーわいいなぁ、マジで。ちょっとだけ待って、な？」

　身体を起こしたりっくんを、もう待てないよ、って目で追った。

　…うわ…っ

　見ちゃった…っ　りっくんの…っっ

「空、顔真っ赤。すげぇ可愛い…」

　脇に手を入れて持ち上げられて、あぐらをかいたりっくんの膝の上に乗せられた。

　あ、当たって…っっ

　あ…っ

　りっくんの手が、二人の性器を一緒に握ってゆっくりと上下に動き始める。

　僕は堪らずりっくんの肩に爪を立てた。

「…あ…あ…っ、りっ、りっくん…っ」

　どうしよう…っ　すごい…っっ

　生理現象として義務的に自分でするのとは全然違う。

　握ってるりっくんの手の熱さと、くっつけられてるりっくんの性器の硬さにくらくらする。

「気持ちい？空。いっちゃいそう？」

　耳も　溶けちゃう…っ