第7話 教会②
マイスとシエンの実力は拮抗している。
強いて言うならば近接格闘ではマイスが、魔術ではシエンがわずかに勝る。
総合力では幼少期から丁寧な指導を受けていたシエンが僅差で上回る。
しかし、実際はマイスが圧倒的に強い。魔王戦でもシエンはマイスのサポートに留まった。
その理由は実力以外の要素――神気にある。
神気は魔力と併用できるリソースである。同じ魔術でも神気を併用することで大幅に強化できる。
欠点は人によって容量が大幅に異なることと、制御が難しいこと。ほとんどの人は聖域を訪れても誤差程度の神気しか受け入れることができず、うっすら体にまとうくらいしかできない。
マイスはその欠点を克服している。次点のシエンの十倍以上という人族最大の神気容量を持ち、素で聖剣を上回る神気制御能力を持つ上、烙印により任意の能力を発動させることもできる。
強力な神気で魔王の瘴気を中和、素手で魔王を殴り倒した実績は伊達ではない。
神気を使ったマイスにシエンが勝てる道理はない。
「な……っ!?」
はずなのだが、最初の一合で弾き飛ばされたのはマイスだった。
マイスはシエンを侮っていない。自分と同等以上の実力者と認めている。
一切の油断なく神気による肉体強化を使った上でなお押し負けたのだ。
着地しながら身構えるも追撃は無い。シエンは盾を構え立ち止まっていた。
目を凝らすと追撃しなかった理由が分かった。
シエンの目は血走っていた。聖剣を握る手はわずかに震えている。耳を澄ませば骨がきしむ音が聞こえるようだった。
シエンは許容量をはるかに超える神気を放っていた。
「お前死ぬ気か!? なんだその神気量は!」
「聖剣の力で抑え込んでいる。それに、きみならこれを見ればわかるだろう?」
シエンは右腕の鎧を外し、マイスに見せる。
右腕には幾本もの青白い光が走っていた。肌に亀裂が入っているようにも見える。
「
見た目の変化、体の表面に浮かび上がる神気、マイスを弾き飛ばした剛力。
神の力により肉体の性質が変化している。マイスの烙印と同じ、神意変生だった。
「そうなるまでにどれだけの神気を流し込みやがった」
「……これくらいしないときみは止められない」
「馬鹿が! ……おい詠士ども! 教会にこもってるお前らだな、シエンに神気を注ぎ続けてるのは! いますぐやめろ、さもなきゃぶっ殺す!!」
マイスは神気の出どころを見切っていた。
教会の内部から、聖域の神気が際限なくシエンに流れ込んでいるのだ。
「シエン、受け入れるのをやめろ! とっくに限界容量を超えてる、過ぎた神気は毒と同じだ!」
「きみが神殺しを諦めるなら、すぐにでも」
「……っ!」
容量を超えて注がれた神気は体を内側から破壊する。
普通ならば容量を超えた分は体からこぼれていくのだが、シエンはこぼれた端から詠士たちに神気を流し込まれている。それを聖剣の支配力で無理やり体に押し込めている。
身体能力は上がるだろう。魔術を使えば自然と神気が混ざり威力が上がるだろう。
その代わりシエンの体はボロボロになる。いずれ神気に耐え切れず内側から崩壊する。
すでにその兆候は表れていた。
神意変生を果たした右腕は、少しずつ本当にひび割れている。
シエンの体はとっくに悲鳴を上げている。神気に耐え切れず壊れた部分は即座に再生しているが、長くは保たないだろう。マイスが適当にちょっかいを出しながら時間稼ぎすれば自滅するはずだ。
「……聖剣は折っとくべきだったな」
教会に返還したことが悔やまれる。魔王との戦いで折れたことにして処分してしまえばよかった。
聖剣さえなければこれほど苛立たしい状況は発生しなかった。
マイスは黒剣をシエンに向け、宣言する。
「速攻だ。意識飛ばして聖剣奪い取ってやる」
自滅なんてさせるつもりはなかった。
シエンは本気だ。たったひとりの信用し信頼する友人の本気を前に逃げ回るなんて選択肢はない。
聖剣さえ手放せば神気は制御しきれずに散っていくだろう。
息を荒げながらシエンは盾を捨てる。聖剣を左手に持ち換え、空いた右手で愛用の剣を抜いた。
過剰に神気をまとった状態が長く続かないことくらいシエンも承知している。守りを固めての長期戦は無謀。
「その前に黒剣を折らせてもらう。きみだって神を相手に独力で勝つことは不可能だって分かっているだろう?」
魔王は強かった。あの魔王が神を殺すために武器を作らせたという事実が神殺しの困難さを裏付けている。
何より、マイスと神は戦闘の相性がすこぶる悪い。
マイスが苦り切った顔をする。気が付いていたようでほっとする。
これなら黒剣を折れば思いとどまってくれるだろう。
シエンが駆ける。聖剣をマイスに向けて振るった。
黒剣で迎撃、聖剣を折ろうとしたマイスだが、聖剣に触れる前に黒剣が弾かれる。。
聖剣は多量の神気を含んでいる。黒剣との接触は危険だ。圧縮した暴風をまとわせることで聖剣を守りつつマイスの体勢を崩すことに専念する。
マイスを狙うのは愛剣だ。頑丈でよく切れるという一般的な範疇の業物だが、マイスには聖剣よりも有効である。神意変生した右腕の腕力があれば黒剣を折ることも可能だろう。
マイスはひるまない。空中で姿勢を立て直し両足で着地する。迫りくるシエンの剣を迎え撃った。
シエンは片手持ちの剣で両手持ちのマイスと張り合ってくる。
「ちっ!」
シエンの愛剣に注意を向けていれば聖剣が迫る。全力の一撃ならば大気の壁を破って聖剣を破壊することも可能だろうが、そうできないようシエンが立ち回る。
強い。思わず舌打ちが漏れる。魔術で対抗しようにもそちらに意識を割いた瞬間に勝負は終わるだろう。
不利を承知で打ち合いに応じざるを得ない。
剣と黒剣がぶつかる音が連なって響く。時折聖剣が巻き起こす暴風が混じる。
「く……」
一方、シエンも焦っていた。
剣を振るたびに体は悲鳴を上げている。過剰に供給される神気で回復してはいるが気を抜いたら気絶しそうな痛みが走り続ける。
決め手に欠ける現状では黒剣を折る前にシエンが気絶する。
誤算だったのはマイスの強さ。
強いことは分かっていた。マイスの戦いを最も近くで見ていたのはシエンだ。誰より理解している自負がある。
しかし、それは隣で戦っていたものとしての理解だ。
シエンは敵として対峙するマイスの強さを分かっていなかった。
圧倒的な戦闘への適応力。それがマイスの強さのひとつ。
身体能力で自分を上回る人間と戦ったことがないくせに、すでに格上との戦い方を確立しつつある。シエンの愛剣を受け流し、時にからめとるように力をかける。黒剣より先にシエンの愛剣が折れそうになっている。
おそろしいことに黒剣が放つ黒炎まで制御しつつある。シエンが聖剣にしているように、黒炎で刀身を覆うことで刀身を守りながら攻撃力を上げている。
「斬り合いはまずい……!」
近接戦はわずかにマイスが上回る。神気で身体能力差を埋めても反応速度が劣っている。
聖剣を守っていた圧縮空気を解放する。抑えられていた空気が膨れ上がり二人の間で爆風が発生する。
互いに弾かれるように遠ざかる中、シエンは魔術を構築する。
魔術師としての腕はシエンが上。ほとんど無意識で術式を行使できる。
「神威魔法『鉄槌』」
聖剣で制御していればマイスの神気への干渉も弱められる。
最初の一撃を目くらましだ。マイスが防ぐと同時に処理しきれない数の魔術を乱打し動きを封じる。その隙に近寄り、黒剣を叩き折る。
そのつもりだった。
「今ァ!」
マイスは『鉄槌』を防がなかった。
シエンが放つ瞬間に狙いを見切り、肩に白い閃光を掠らせながらも突進してきた。
成立させた魔術をまとめて放つがマイスを止めるには威力が足りない。
「っ、『光壁』!」
距離を詰められるのはまずい。反射的に使い慣れた防御術を展開する。
マイスが使った『天壁』の元となる術。これに神気を混ぜることで『天壁』となる。
光の壁がマイスとシエンを隔てる。癖になるほど使っていた魔術だけに魔力量も十分。
いかにマイスの攻撃でも一撃なら耐えられる。その隙に、今度は威力と範囲を最大まで上げた『鉄槌』を叩き込む。そう考えていた。
「『鉄っ……?」
黒い剣はいつもより強く輝いていた『光壁』を紙のように破り、シエンの左肩から右腹までを浅く裂いていた。
身を焼かれるような激痛に一瞬だけ意識が飛んだ。蓄えていた神気の大部分が霧散する。
「今のは『天壁』だ。神気なら黒炎で燃やせる」
「――――!?」
しくじった。
シエンは先ほどまで有り余る神気を保有していた。魔術に自動的に神気が混ざり、神威魔法となるほどに。
ただの『光壁』ならマイスの足は止められた。
『光壁』は神気を含み『天壁』となった。
黒剣は神気に対して抜群の力を発揮する。マイスは『天壁』ごとシエンを斬ったのだ。
「終わりだ」
マイスは膝をついたシエンに向かって黒剣を振りかぶる。
神気はほとんど失った。意識がもうろうとして流し込まれる神気を留めておけない。黒炎に焼かれたせいか左腕に力が入らず、聖剣を持ち上げることすら難しい。
マイスはシエンを倒し、神域を目指すだろう。
「させ……ない!!」
シエンは渾身の力で右腕を動かした。
神気が散ると同時に神意変生で得た力も急速に抜けていった。
持っているのはただ頑丈なだけの愛剣だ。神気に守られたマイスを傷つけることは困難だろう。
だが、そんなことは考えていなかった。
人々のために。マイスのために。シエン自身のために止めなければいけない。
マイスに神を殺させてはいけない。
――きみは英雄でいてくれ。失敗の烙印が消えないにしても、せめて世界を救った栄誉を称えられるべきだ。
神を殺せば、殺そうとすれば、人々はマイスを恐れるだろう。魔王を倒した神託の勇者ではなく、神殺しの罪人として扱われる。後世にも神敵として語り継がれるだろう。王も褒章を出せなくなる。
そんなのはあんまりだ。マイスがどれだけ血反吐を吐く思いをして、失敗と笑われながら魔王を倒したと思っている。
金も名誉もいらないとマイスは言う。
でも、シエンはそう思わない。
マイスは頑張ったのだ。偉業を成し遂げたのだ。
一番欲しいものが手に入らないにしても、せめて。
少しくらい報われないと嘘だろう――?
がっ、と固いものがぶつかり合う音がした。
シエンの愛剣はマイスの肩にぶつかった。皮膚を裂き肉を割り、骨にぶつかってそこで止まる。
「……え?」
マイスはシエンの攻撃を防ごうとすらしていなかった。
黒剣が振り下ろされる先はマイスではない。
「失せろガラクタぁ!」
聖剣に叩きつけられた。
黒炎は神気を焼く。神気を侵食し聖剣の守りを破壊した。
渾身の一撃が聖剣の横っ腹に当たる。
長年奇跡の結晶として称えられ、魔王との戦いでも振るわれた聖剣は、あっけないくらい簡単にぽっきり折れた。
「うっ!」
折れた瞬間、聖剣が破裂した。内部に閉じ込められていた神気がはじけたのだ。
すでに気絶しかけていたシエンはうめき声をあげて吹き飛ばされた。教会の壁に衝突し、意識を失う。
教会から流れる神気がシエンに向かうが、気絶し聖剣を失ったシエンは神気をとどめることができない。
「てめえらもたいがいにしやがれ」
マイスが教会に向かって黒剣を振る。鏃型の黒炎が飛び、神気の出どころを直撃した。
黒炎が炸裂し建物が半壊する。神気を制御するための魔法陣が壊れたのか、操作していた人間が死んだのか、シエンへの神気供給が完全に止まった。
「ひ……ひぃっ!?」
壊れた教会から豪奢な服を着た太った男が飛び出した。
大神官ユシン。マイスを倒すための指揮をとっていた男である。シエンが戦っている間にこっそり隠れていたのだ。
「い、いったい何が……シエン!? 何を寝転がっている、偉そうにマイスを引き受けると言っておきながらそのざまはなんだ!?」
ユシンはシエンのそばに駆け寄る。助け起こすのかと思いきや、シエンの頭を蹴りつけた。
「おい起きろ! 貴様のせいで教会が壊され、私に危険が及んだのだぞ! 寝っ転がってないでさっさと――」
「離れろ」
「ぶぇっ!?」
血まみれで明らかに意識を失っているシエンを何度も蹴るユシンだったが、マイスに止められた。
太った腹を軽く蹴られた。軽くと言ってもマイス基準なのでボールのように転がっていった。
「よお、久しぶりだなユシン。ふんぞり返ってただけのお前が大神官とは恐れ入る」
「ま、マイス……!」
ユシンの顔が真っ青になる。
マイス・ティークは神託の勇者であり人族最強の戦士である。
そのマイスが怒気を放ち、獲物をいたぶる猛獣のような笑みで歩み寄ってくる。
怖くないはずがない。助けてくれる誰かを探すが唯一可能性がありそうなシエンは気絶している。頭を蹴っても微動だにしなかった。
周囲に逃げ隠れできる場所はない。あったとしても逃げられる気は一切しないのだが。
「ま、待てマイス。私とお前の仲だろう。思いとどまるんだ」
「俺とお前の仲だあ? ……ああそうだな、よく覚えてる」
「そうだ、旅するお前を何度も助け――」
「取り巻きの騎士どもと一緒にさんざん殴って蹴ってくれたよなあ? お前には木剣で二十八回殴られて、十二回蹴られて、頭を踏みにじられたなあ」
「ひっ……!?」
喉の奥が引きつって変な音が出た。
確かに十年くらい前、仲間と一緒に訓練にかこつけマイスを殴った。
あの頃と今では体格も服装もまるで違う。訓練の時には名乗らなかったからバレるはずがないと思っていた。
マイスは覚えていないどころか、何をどうされたのか回数まで具体的に覚えていた。
「他の連中は劣勢の戦地に送ってやったけど、お前にだけはうまいこと逃げられたんだよな。ちょうどいい、やり返しておこう」
「ま、待て、待つんだ、そのトゲトゲした鉄の棒はなんだ!?」
ユシンはマイスが教会の廃材を使い魔術で作った棒を見て戦慄する。太い物が一本、細い物が複数本作り出された。
マイスは細い一本をユシンの足に突き立てた。
「ぎゃっ!?」
「こうして逃げられないようにする。気絶したら刺した棒を動かして目覚めさせる。安心しろ、回復魔法を一緒にかけてやるし止血は念入りにするから死にはしない。あと、この太い棒はだな、お前が抵抗した時にこうして熱してケツの穴にぶち込んでやる用だ」
「ひぃっ!」
太い鉄の棒が赤熱する。
トゲトゲしたもので刺されるだけで大惨事なのに、赤熱した金属ではなおさら悲惨なことになる。
「…………
「あ?」
「神域は大奉神山の奥にある。ふもとの修行道の入り口からちょうど山を挟んで反対側に洞窟がある。そこから神域にいける」
「………………」
マイスは信じられないような目でユシンを見た。ユシンは顔ごと目を逸らした。
「……お前、恥ずかしくないの? 普通の信者すら俺に立ち向かったのに、大神官のお前がこの程度であっさりゲロしちゃう? それとも嘘か? あそこに神気はなかったはずだが」
大奉新山は旅の途中で訪れたことがある。信者の修行場であり聖域ではない。
もうちょい痛めつけないとダメかなと思って刺した棘をひねる。
「い、いだい! やめてくれ! 山の下に神域があるんだ、山そのものが神域を隠すための封印なんだ、誓って本当だ!」
「誓ってって何にだよ、あっさり神を売っといて」
マイスはドン引きしていた。
普通の信者たちは圧倒的な強さを持つマイスと戦った。狂信者たちは死を覚悟しマイスの動きを止めようと縋り付いてきた。
なのに、信者の手本となるべき大神官のユシンはあっさり神の居所を口にした。
一応額の文字を『看破』にして確かめるが、どう見ても本当のことを言っていた。
長々といたぶる趣味はない。その必要もなさそうだったのでマイスは棘を抜いてやる。
ユシンは涙を流し痛がりながらも自分で回復魔法をかけた。
「わ、私が知っていることはそれで全てだ。そもそも神託の勇者であるお前が神のところへ行こうとするのだから、そういう神託があったに違いない。うん、私は神を裏切ってなどおらん」
「……ひっでえ言い分。ああ、シエンはもらっていくぞ。こいつが治ってもう一回敵対されたら厄介だ」
「好きにしろ、そんな役立たずに用はない。始末してくれた方が好都合だ」
危機が去ったと思うや否やユシンはシエンを切り捨てた。
勇者と共に魔王を倒したという事実は大きい。シエンはいずれ自分と教会軍部の権力を争うことになる。将来の政敵がいなくなるのならば今回の成果と考えられなくもない。
即座に思考を切り替える柔軟性だけは大したものだと思いながら、マイスはシエンを担いだ。
「ユシン、さよならな。せいぜいがんばれよ」
「? ああ」
いきなりマイスから声援を送られた。何か裏があるのではないかと身構えるがマイスはすでに背を向けている。
もう立ち去るつもりで間違いないらしい。額の文字を『脚強化』に変えている。
次の瞬間、マイスはユシンの目の前から消えていた。
ユシンは安堵のため息をついた。
「ふう……とりあえずの危機は去った。あとは今回の失態の説明だな。シエンが裏切りマイスと共に兵士を殺したことにするか。『降雷』を撃ったのだし生き残りはいないはず。いたとしても適当に脅して黙らせれば――!?」
ぶつぶつ今後の方針をつぶやいていると足を掴まれた。
慌てて下を見ると男が地面を這っていた。ユシンを見上げる目は怒りに満ちている。マイスが神に向けるものと同等か、それ以上の怒りである。
「背教者……!」
「きっ、貴様なぜ生きている!? 『降雷』を受けてなぜ!」
ユシンの足を掴んだのは、マイスの足止めをするため命を捨てて突撃した狂信者だった。
否、狂信者たちだった。
地面に倒れ伏していた彼らは続々と動き出し、ユシンににじり寄る。
その顔は例外なく怒りと狂気にまみれていた。
ユシンは知らないことだが、『降雷』は大部分をマイスに分解されていた。完全に防いでしまうとまとわりついた狂信者たちも守ってしまうので、弱まった電撃部分を狂信者たちに流したのだ。
普通なら感電し数日は動けなくなるところだが、狂信者たちは気力だけで体を動かしている。
「は、はなせ! 私にたてついたらどうなるか、貴様らを神敵にしてやる! それが嫌なら放せっ! や、やめ…………!?」
「神を売った……」
「裏切りもの……」
衰弱した狂信者はユシンに振り払われるが、続々と起き上がりユシンに詰め寄っていく。
やがて、ユシンの姿は見えなくなった。
聖湖神水教会の周囲に静寂が戻った。
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