決意

「いやーそうだったんだね。君が今日からわたしと暮らす子だったのか!!」


 あれから私はアイスコーヒーを注文し、店の様子と星の魔女さんの可憐さをしばらく観察したあと、本来ここに来た目的を星の魔女さんに話しました。


「えと、星の魔女さんと一緒に暮らすんですか?」


 それはそれで私としてはご褒美ですし、全然構いませんが。事前情報によれば借宿のように部屋が提供されるはず。

 しかも先の様子からしてどうやら星の魔女さんはだのだのと言う概念に酷く純粋で初心だとか。


 と言うか今更ですが、今このように私の中で恋愛の概念が出てきたあたり、どうも私は本気で彼女、星の魔女さんを好きになってしまったみたいです。


―――――私は、星の魔女さんのことが恋愛的な意味で、好き。


 なるほど。しっくりきます。

 これが所謂、一目惚れ、正に運命的な出会いでしょうか。


「そ、そうだよ。もしかして………、わたしと暮らすのは、……いや?」

「むしろ良いんですか?」

「へっ?」

「いや、だって、私としては星の魔女さんと沢山接することが出来るチャンスなわけですし………」

「せ、接すっ!??にゃ、にゃにを言ってるのっ!?わ、わたしは別に君のことを好いているわけでは、にゃいよ!?そ、そんな接するって、つ、つまり『まぐわう』ってことでしょ!?だ、だめに決まってる!!」


 ……………思うところが多々ありますが。

 目先一番に言いたいことは。


「 トキ です」

「え」

「私の名前、トキって言うんです。出来れば、君では無く名前で呼んでくださると嬉しいです」

「あ、う、その、ごめん。………トキ」

「かふっ」

「トキ!?」


 はうぅ!何ですかその上目遣いは!?反則です禁止ですいやその表情は今後私だけに見せてくださいぃ!

 あ、危ないです。どんどんと星の魔女さんを自分のものにしたいという独占欲が溢れ出てきちゃいます。


 しかし先ほど、星の魔女さんはしっかりと私を好きではないと言いました。地味に、いえ結構わりとガチで傷つきました。彼女が私を好きになることなど無いのでしょうか?いいえ。諦めてはいけません私。せっかく運命の相手を見つけたのですから。


―――絶対に彼女を私の虜にしてみせます!!ふんす!


 でもとりあえず今は、これからすることになる星の魔女さんの誤解を解いておきましょう。


「星の魔女さん、接するというのは性的な意味では無く一般的に交流をとる、ということです」


 ………まぁ、いずれは、ね。

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