ロリ巨乳天使と審議なトッピング欄

「他じゃなく、あなたに一目惚れです!」


 私の声が店内に静寂をもたらします。

 あれ?私は、今、なんて言いました?

 無意識下に思わず口から漏れ出た言葉は……「一目惚れ」?


 サーっと血の気が引いていきます。


 おそるおそる『銀髪天使さん』の様子を窺えば、目を大きく見開いて口も半開き。ひどく驚いているようです。


 静寂を破ったのは誰の言葉だったか。


「わ、わーお!!い、いーねいーね!」

「こ、こんな若い子に一目惚れされるなんてっ!魔女さん、そのポジ代わって!!」

「うそ………。ロリ体型の魔女さんが、大人で色気のあるアタシらを差し置いてこんな美味しそうな子に!?」


 店内に次々と囃し立てるように野次が飛び交う。


「ちょっ!?だれがロリ体型だっ!!」


 お顔を赤く染めた『銀髪天使さん』が野次を飛ばすお客さんたちにキャンキャン吠えて噛みついています。その姿は、さながら大人に怒られて拗ねる小さな子供のようで。

 そんな彼女も、なんだかとっても魅力的に見えます。


 なぜでしょうか。先ほどからドキドキと胸の高鳴りが大きくなる一方です。

 問題発言をしてしまった私をよそに、店内は喫茶店らしからぬちょっとしたお祭り騒ぎ。その中で、やっぱり私は『銀髪天使さん』から目が離せないのです。


 …………しかし、気のせいでしょうか。先ほどから『銀髪天使さん』がとお客さんたちから呼ばれているのですが。


 そういえば、ここのお店の名前は……『星の魔女の喫茶店』……!!


 もしかして『銀髪天使さん』が星の魔女?


「だ、だいたい!わたしだって君たちよりも大人な部分があるじゃないか!」


 星の魔女(?)さんは野次を飛ばすお客さんたちに向かってそう言い、胸を張ります。むむむっ。ゆ、揺れています。先まではしゃいでいたお客さんたちも急にだんまり。わかります。きっと私と、感じてることは一緒でしょう。


 お客さんの一人、赤味を帯びた茶髪のショートボブの髪型で背の高いスラっとした女性が低く唸り星の魔女さんに苦言を呈します。


「あ‘‘~~。まぁ……そうだね。確かに魔女さんはただのロリ体型じゃあ無いわな。しいて言うなら、―――――ロリ巨乳?」

「なっ!?だ、だれがっ――――」


「それだっ!」「そーそー!魔女さんはロリ巨乳!」「子供みたいに天使な顔して、胸だけ子供らしく無いんだもね~」


「だ~か~ら!何度も言ってるけど、わたしは子供じゃない!たしかに背は……、その、……っこ、これからだから!わたしからすれば、君たちのがまだまだ子供だし!言っとくけどわたしは200年もの時を生きているんだから!!!」


「あ~はいはい出ました。いつものね」「魔女さんのそーゆームキになって背伸びしちゃうところも、アタシたちは好きだよ♡」「まぁ、200年は背伸びしすぎだけどね~」

「「「ねーー♪」」」


 完全に子供をからかう大人たちの図です。

 皆さんは信じていないようですが、私は星の魔女さんは嘘をついていないように思うのです。それも、私は小さい頃からたくさんの魔法使いさんのお話を読んできました。その中に、使さんのお話もあったのです。は500年もの時を生きたと物語には書いてありました。

 それを考えれば、星の魔女さんの言うことも有り得ない話では無いのです。


 完全に遊ばれている星の魔女さんは、可愛らしくもじもじとしながら………どうしましょう、尊すぎて鼻血が。


「そ、そんな。き、君たち、す、すきとか言うなぁ~。わたしはだまされないぞぉ」


「はうぅ」「かふっ」「………っごちです」


 一斉に胸を抑えるお客さんたち。いけません、中には昇天しそうになってる方まで!

 あれ?めまいが。貧血でしょうか。なんとか心を落ち着かせなくては。


 星の魔女さんが、先から放置状態の私に改めて手招きしてくださいました。


「あっ、ごめんね。ほったらかしにしてしまって。改めて、ようこそ『星の魔女の喫茶店』へ。わたしはこの店のただ一人の店員にして店主、【星の魔女】だよ。みんなからは魔女さんって呼ばれることが多いかな。今日は、ここに出会いを求めてやって来たのかな?可愛いお客さん」


 そう言い切ると星の魔女さんは頬をうっすらと赤く染めたあと私から目を逸らしてしまいました。


 あ、私の先の一目惚れ発言を無かったことにするつもりなのでしょうか。


 店の隅っこで集まるお客さんたちの会話から「まったく、魔女さんってばアタシらには同性愛者歓迎。どうぞ好きな子と好きな恋をしな、とか言うくせに。自分は恋愛に対して初心うぶなんだから。」「まぁ、そういうところも魔女さんの魅力でしょう?」「そうそう、アタシたちを受け入れてくれる場所を作ってくれた魔女さんにはほんとに感謝しかないわ」「あと肉欲もね」「「「ねーー♪」」」


 同性愛者?ですか。もしかしてこの喫茶店はビアンバーみたいな場所なのでしょうか。

 星の魔女さんに案内されたカウンターの席に腰掛けると、メニューを手渡してくれます。本来ここに来た目的は住居の確認とお仕事面接の願い出だったのですが。どれどれ。ひとまずメニューを見てみましょう。


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 トッピング


 ☆アイスクリーム

 ☆媚薬

 ☆レモン

 ☆チョコレート

 ☆惚れ薬


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 飲み物や食べ物などは、ごくごく普通の喫茶店でも見られるものばかりだったのですが………

 はて?トッピング欄に何やら不吉な混ざってはいけない物が混ざっているような。


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