少年時代の思い出
宮川雨
少年時代の思い出
息子が本に興味を持ち始めた。きっかけは同じバスケをやっているお友達がバスケを題材にした児童書を読んでいたのがきっかけらしい。その児童書が欲しいから近所の本屋にはいったらしいが、どうやら置いていなかったようだ。
近所の本屋は小さい個人経営店で人気の作品や週刊誌は置いてあるが、逆に言えば それくらいしか置いていないのだ。置いていないのも無理はない。
今の時代本屋をやっていくのも楽ではない。あまり売れないマイナーな本を置く場所を作るのであれば、そこに人気の本を置くのは必然であろう。
そのため息子は私にネットショッピングでその児童書を買ってほしいと頼んできたが、私はあえて今度の休みに家族で片道1時間ほどの場所にある大きな本屋に行こうと誘った。
これは私のエゴだが、できれば息子には大きな本屋にいって自分好みの本を見つける楽しさを味わってほしい。少年時代の私のように。
私は昔から本屋に行くのが大好きだった。当時住んでいた家の近くに大きな本屋があったのもあってよく本屋に足を運んでいた。大きな本屋に行きそこから自分好みの本を見つけるのが、子供のころまるで宝探しのように感じて楽しかったのを今でも覚えている。
それが図鑑なのか絵本なのか児童書なのか、ライトノベルなのか自分のその時の年齢によって違っていたがとにかく本屋中を歩き回って探検するかのように本を探していた。
そして最終的には手持ちのお金では買えないくらいの本をつい手に取ってしまい、そこからどれを買うのか考えるのがまた楽しかったのをよく覚えている。
息子にも是非あの宝探しの気分を味わってほしい。あのキラキラしたものを見つけるかのような感覚を。しかしもしかしたら行ったとしても息子は昔の私とは違い、特に本を探すことを楽しまずすぐに飽きてしまうかもしれない。
それでもいい。たとえ興味を持たなかったとしても、それもまた一つの少年時代の思い出になるのだから。
少年時代の思い出 宮川雨 @sumire12064
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