何度でも読みたくなる恋という沼のスパイラル

皆、作り物の顔を少なからず持っている。
そうして自身を守る、少なくとも社会人ともなるとその傾向が強くなります。
そんな高嶺の花と勝手にレッテル貼りされた伊織さんの視点の話が前作。
今回の話は、本当の伊織さんを揺り動かす泉さん視点の話です。
夜カフェで出会った2人。
なぜか3ヶ月も連絡を取らなかった訳が、今作で明かされます。
そして伊織さんは泉さんにどんどんと浸かっていきます。
それは「付属品の伊織さん」ではなく、「本来の伊織さん」と真摯に対面し、語りかけていたからだと思います。
泉さん視点で、彼の心情に感動しました!
どこまでも泉さんは「本来の伊織さん」に恋していると。
とまぁ…ここまでは泉さんの思わく通りに進んでいきますが、海に来た伊織さんに泉さんは動揺します。
いくら似た者同士といっても、何もかも一緒、思い通りにはいきません。
そんな泉さんは、伊織さんという沼にどんどんと浸かって いき、さらに恋心を募らせます。
2人にどういう結末があるのか…明言されていませんが、幸せになってほしい…。

最後にこの物語を描いた作者様は「すげぇ」と思いました。
この方の物語は恋心を絶妙に描いており、他の作品も読みたくなりました!!