京都編エピローグ

修学旅行 最終日。

クラス毎に観光バスに乗り込み、天橋立に向かっていた。

「にしても、昨日は帰り遅かったわね。」沙希はマリアに言う。

「YES。まだ昨日のコト、聞けてません。」マリアも言う。

「危険な戦いって聞いてたけど、無事に帰って来た所を見ると、一安心なのかしらね。」沙希は言う。

「向こうに着いたら聞いてみまーす。」マリアは言うと沙希もそうねと頷く。

慎司達の観光バス車内。

慎司と鈴音は隣同士で観光バスの中で寝ていた。

「ねぇ、あの2人って付き合ってるの?」女子生徒達は2人の最近の様子を見て、噂話に花を咲かせていた。


「華月様、そろそろ起きて下さいませ。チェックアウトのお時間でございます。」綾乃は寝ている華月に言う。毎度の事だが、鬼の力を使った後の華月は眠気がヒドい。

「...。」華月はスヤスヤと寝息を立てている。

「無理もないですね。」綾乃は微笑みながら、華月を着替えさせようと、浴衣を脱がす。

「んまぁ❤️」華月の股間は怒張していた。

「んもぅ。」綾乃は顔を背けるもすぐに横目でチラチラ見る。だが、チェックアウトの時間が迫っていた為、綾乃は渋々華月を着替えさせる。荷物は宅急便で自宅に送る手配をし、最小限の手荷物と紅蓮を持って、華月を支えながら、玄関前に停まっているタクシーに乗り込む。

「京都駅まで。」綾乃は運転手に言うと、タクシーは走り出した。


天橋立に着いた修学旅行一行は、自由行動の為、そこで一旦解散となる。

沙希達4人は早めに昼食を済ませようと、近くのレストランに入る。各々注文を済ませる。

「で、かづちゃん達はいつ来るの?全部片付いたんでしょ?」沙希は慎司に聞く。

「ん?華月と綾乃さんなら今頃新幹線じゃないかな?」慎司は言う。

「えっ⁉︎何それ?私達と一度も行動を共にしないなんて...あり得ないわ。」沙希は怒っている。

「YES!」マリアも続く。

「いやいや、華月は修学旅行に来た訳じゃないからね。それに、」慎司は苦笑いで言う。

「はぁ⁈そんな事言ってるんじゃないわよ!あんた達が戦いに行けたのだって、私達の陰ながらの偽装工作があってこそじゃないの?労いの何かがあってもいいんじゃない?」沙希は言うとマリアもYESと答えた。

「沙希とマリアには本当に感謝してるわ。ここは私と慎司くんで出すわ。ね?」鈴音は慎司を見ると慎司は頷く。

「む〜か〜つ〜く〜‼︎異界の門で呼び出す!かづきー‼︎」沙希は叫ぶ。

「かづきー!」マリアも華月の名を叫んだ。

「ちょ、ちょっと!やめなさいよ!」鈴音は止めに入る。

「何で現れないのよ!力の限り叫んだわよ!」沙希は言う。

「こんな事で鬼の力と異界の門使う訳ないでしょ!それに、明日加奈ちゃんのバスケの決勝戦があるからさ。」慎司は笑いながら言う。

「あ、そっか...。加奈ちゃん頑張ってるんだね。でも、かづちゃんは帰ったらただじゃおかないんだからー!」沙希は叫ぶ。


華月は新幹線のホームで身震いした。

「お兄ちゃん!」英鬼の声に振り向く。英鬼と土蜘蛛が見送りに来ていた。英鬼は走り出すと華月に抱きつく。

「もぅ、行っちゃうの?」英鬼は寂しそうな顔をする。

「また、いつでも会えるさ。」華月は微笑みながら英鬼の頭を撫でる。

「玉藻前様から言伝をお預かりしております。」土蜘蛛は華月に言う。

「本当にお世話になった。またいつでも連絡しておくれとの事でした。」土蜘蛛は言う。

「玉藻前様はこれから忙しくなる。土蜘蛛さん、何かあれば、いつでも俺の名を呼んで下さい。」華月は言うと土蜘蛛は頭を下げる。ホームにアナウンスが入り、新幹線が入って来る。

英鬼は華月にしがみつく。華月は頭を優しく撫でると、しゃがみ込み英鬼を抱きしめた。

「俺との約束、忘れるなよ。」華月は言う。

「うん、お兄ちゃん位強くなって、お母さんとお婆ちゃんを守る!」英鬼は言う。華月は笑って立ち上がると、土蜘蛛に一礼して、新幹線に乗り込んだ。英鬼達に見送られながら、新幹線は走り出し、京都から遠ざかっていった。




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judgement night 〜紅蓮編〜 kazn @kaznhana

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