第112話 討伐完了……疲れた

翌朝、夜明けごろにノーラに起こされた。

カレンはすでにベッドにはいなかった。

多分お仕事始めちゃってるだろうね。

お客様なのに、ほんと働き者だな。


身支度整えてダイニングキッチンに行ったら、すでに朝食できてたよ。

スクランブルエッグと炒めたベーコン、サラダ、トースト、コーヒー。

うん、モーニングセットって感じだ。


女子三人で朝食食べてたら、寝癖付けまくったガイが来た。

おいおい、女性陣の前に出るなら、少しは身だしなみ整えろよ。

食べ終わったカレンが、お湯に浸けて絞ったタオルをガイの頭に掛けてた。


その後、女性陣はお弁当の用意。

今日は魔人の残りを全部討伐する予定だから、時間かかるもんね。


お弁当は、おにぎり、から揚げ、とんかつ、卵焼き、炒めたソーセージ、ポテトサラダ、うさぎリンゴ。

とんかつとポテトサラダはガイのリクエストだ。

昨日も食べたのに。


準備も整ったので、一路廃坑へ。

今日は自宅からだからすぐに着いたよ。


昨日パニクって増産しちゃった封鎖壁を崩しつつ奥へ。

結局、封鎖壁は一つも壊れてなかったよ。

討伐に使ってた>型の壁も、ズレたまま固定されてた。

魔人は例のごとくいなくなってたので、修正しつつ頑丈に補強しなおしました。


討伐は、昨日打ち合わせた通りに四人で行います。

私とガイが前衛で、すぐ後ろにノーラとカレン。

後衛二人は、目標レベルになったら後ろに下がってもらいます。

さて、封鎖壁にスリット切って、討伐開始です。


………

……


疲れた。

さすがに残り二千弱の魔人をガイと二人で討伐なんて、かなりの無茶だった気がする。


封鎖壁はガンガンに補強し直したから大丈夫だったけど、ガイは途中から魔力不足で、攻撃は私だけ。

私、三度レベルアップしたから何とか最後まで魔力持ったけど、二千近い破壊矢を延々撃つのは、精神的にきつかったよ。

まあ、おかげで私はレベル20、なんとガイもレベル8になった。


当初の予定では廃坑の最奥まで確認するはずだったけど、全員が精神的に限界だった。

昨日のこともあって、攻撃しない三人も警戒は怠らなかったから、三時間気を張りっぱなしはきつかったみたい。

私が後日最奥まで確認するから今日は帰ろうって言ったら、みんな賛成した。


念のため封鎖壁はすべて再封鎖して外に出たけど、早く気を抜きたいからって、お弁当も食べずにおうちに戻った。


おうちに入って玄関の鍵掛けたら、全員無言で玄関ホールに倒れ込んだ。

私は砦での長時間討伐に慣れてたはずなのに、延々と封鎖壁の耐久度気にしながらの二千弱の破壊矢制御は、精神ガリガリ削られました。

他の三人も、状況に変化が無いのに気を張り続けなきゃいけないから、かなりきつかったみたい。


「……ヒナタ、無茶頼んですまん」

「……私、砦ではもっと長く戦ってたから何とかなると思ってたんだけど、さすがに二千発近い破壊矢連続制御は無茶だって思い知ったよ」

「……俺たち、状況が変わらないのに気を抜けないだけでこれほど疲れたんだ。ヒナタは破壊矢制御分余計に疲れただろう。ほんとすまん」

「……私の見込みが甘かっただけだから、謝る必要は無いよ。でもごめん、今日は送って行けそうにないかも。もう一日泊ってく?」

「……いや、親父たちは魔人討伐だって知ってるから、帰らないと余計な心配かける」

「……私たちは後ろに離れてた分、楽だったはず。レベルも15に上がったから、もうちょっとこのまま休ませてもらったら、私が幌馬車飛ばすよ」

「……私ももう少し休んだら頑張って動きます」

「……もうちょっとだけ休んだら、お風呂入ろう。そうすれば多分気力が戻るよ」

「……おう。でも、もう少しだけこのままな」


みんな玄関ホールに転がったまま、三十分ほど動けなかった。

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