第111話 おうちでわいわい2/2
みんなでお話しながらも、本日の昼食完成。
メインはなんと、オムライス。
サブに卵焼き、溶きたまごスープ、ポテトサラダ。
私が卵枯渇症で町にさ迷い出たことをなぜかみんなが知ってて、食べたことが無い卵料理をリクエストされたの。
ほぼ卵づくしだけど、大丈夫かな?
「この卵焼き? 卵が甘いなんて初めて! これ、大好きになったよ!」
「このオムライス? ってのも結構いけるぞ。米自体に味付けしてあるのは初めてだ」
「スープに卵入れるもの初めてよ。見た目きれいで、優しい味だわ」
よかった。みんな苦手な味ではないみたい。
ほんとは炒りたまご丼ヒナタスペシャルにしたがったんだけど、あれは出汁が決め手だから、こっちではまだ再現度が低いんだよ。
「なあヒナタ。俺、野菜苦手なんだが、これなら食える」
「そうなんだ。私は下に敷いてある葉野菜で、ポテトサラダ巻いて食べるのが好きなの」
「……おお、これも食える」
「でも、サンドイッチ系なら大抵野菜入ってるでしょ。いつも食べてるじゃん」
「あれは肉と一緒に食うからなんとかなってる。野菜だけのサラダとか出されると、泣きたくなる」
「夜は野菜づくしにしようか?」
「まじで勘弁してくれ」
ガイの野菜嫌いが発覚した昼食も終わり、玄関上のインナーバルコニーでまったりお茶休憩。
「あの。今日のことでいろいろ考えたんだけど、明日の討伐について提案してもいい?」
「ん? どんなことだ?」
「今日の失敗の原因は、封鎖壁を過信してノーラやカレンを単独にしちゃったことだと思うの。一人でいた方が効率いいからってそんな風にしちゃったけど、よく考えたら魔人いっぱい居るんだから、みんなで討伐してもいいよね?」
「あ~、ドジった! 砦で魔獣足りなくて罠前に一人で立たせて討伐してたから、一人が当たり前だと思っちまってた。情けねぇ…」
「私もおんなじだよ。だからね、明日はノーラとカレンが予定のレベルになるまで、みんなで討伐したいんだ」
「だよなぁ…。それなら封鎖壁が崩れても、俺とヒナタが前に出て庇いながら後退できたな。俺、考え足りてねえ…」
「私もね。でも反省会は廃坑前で終わったから、ここは危険度を減らす案を思い付いたってことでどうかな?」
「そうだな。自省はするとして、明日はそれでいこう」
「うん、そうしよう。あとね、カレンのレベルはどうするの?」
「それな、どうしようか悩んでるんだ。4レベルアップは安全性に確証が持てねえ」
「あの、私はぜひ四つ上げたい。だって五歳のヒナタは、一日に三つ上げても無事だったからみんなにもそうしたんでしょう? なら十二歳の私が四つ上げて無事だったんだから、次もそうしたい。私のレベルが少しでも多く上がれば、それだけノーラを守りやすくなるんだから」
「うーん…」
「お願い、やらせて」
「じゃあ、何回かに分けてやる?」
「それはまずい。今回だって不測の事態で封鎖壁壊れただろ? 時間かけちまって万一何かの理由で魔人が溢れ出たら、被害甚大だぞ。できれば明日には片づけたい」
「え? 昔の資料が正確なら、まだ二千近く残ってるよ。明日一日で二千近く倒しちゃうの?」
「そうしたい。廃坑の秘密は絶対住民に漏らすわけにいかねえ。それに廃坑の件は領主様の家の資料だけで、今までは半信半疑だったんだ。だが、今も魔人がたんまり居るって確認された以上、できる限り早く殲滅しておきたい」
「それもそうか。今まで出てこなかったからって、これからも大丈夫なんて保証はないもんね。特に住民に被害が出る可能性は、つぶしておきたいよね」
「じゃあやっぱりやらせてよ」
「ヒナタはどう思う?」
「一歳の子はすぐに死んじゃったらしいけど、五歳の私は三つ上がってもなんともない。しかもカレンは実際四つ上がっても身体に異常出てないんだから、危険度は低いと思う」
「よし、分かった。じゃあ明日はカレンは四つ上げよう。だが、身体に少しでも異常あったら、すぐに知らせてくれよ」
「うん、わかった」
こうして、明日はノーラが三つ、カレンが四つレベルを上げることになった。
しかもその後は、ガイと私で二千近い魔人を殲滅する予定。
一体五秒で倒せたとしても三時間弱かかる。
明日はハードだな。
明日の討伐計画策定ティータイムも終わったので、今度は工房に移動してノーラへの魔法陣作成指導。
興味津々らしく、みんな当然のように付いて来てるし。
私の予想通り、ノーラはすぐに魔法陣作れるようになった。
ガイが横で真似してたから、私が色々説明して、かなり苦労しながら水発生魔法陣作ってた。
でも、ガイは魔法陣一個作っただけで、魔力切れでへばっちゃった。
そっか、魔力制御あまいレベル7だと、魔法陣一個が限界か。
魔力制御もっとうまくなれば、何とか二個は行けるかも。
ガイがへばったので、従者控室のベッドに放り込んだ。
ゲストルームのベッドはノーラとカレン用にするから、ガイは従者控室に泊めるつもりだからね。
ガイが復活するまで夕食摂れないので、女子三名でお風呂タイム。
プライベートエリアのお風呂、浴槽大きく作っといたからみんなで入れた。
ちっ。カレン、十二歳なのに発育いいな。
お風呂出て水分補給してから夕食の準備。
今日の夕食、メインはトンカツです。
女子三人でわいわい言いながら作ってたら、ガイがのそのそ起きてきた。
ガイ、めっちゃ喜んで食べてたけど、満腹になって寝に行こうとするから、女子三人で強制的にお風呂に叩き込んだ。
就寝は女子三人でゲストエリアのキングサイズベッド使った。
綿の敷布団と羽毛の掛布団、大好評だったよ。
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