第68話 下水処理施設完成

かっ飛んでおうち到着。

まいったな。キャトられた当初のこと思い出しちゃって、まだ気持ちが落ち込んでる。

無理にでもテンション上げていこう。


今日のおうち作りは、下水施設。

どこに作るかいろいろ考えたんだけど、万一故障とかでドッカンした時に上物に被害が少ないように、裏の林の地下に決定しました。

ここなら地中でドッカンして地面盛り上がっちゃっても、整地すればいいからね。


まずは木を避けて縦穴を掘り、そして地下空間を掘り掘り。

だいたい八畳くらいの地下室です。


次に部屋のおうち側の上部に、おっきな受容槽作ります。

多分二千リットルくらいの容量。

でもこの槽、下部を漏斗みたいにしてあって、漏斗に斜めのパイプが繋がってます。


パイプは斜め下に伸びて、途中でバルブもどきの石製遮蔽板が上から刺さってます。

そこを経由して四角い処理層に接続。

処理層の中にはパイプの接続口を受けるような形で、おわん型の分離魔法が発生するように魔法陣を配置します。

魔法陣上部には50cm角の煙突を立て、地上3mまで立ち上がります。

この構造考えるのに夜なべしました。


あと、念のため処理層には簡易圧力計を設置。

簡易圧力計は、U型のガラスパイプに半分水を入れ、片方を処理層上部につないだだけ。

処理層の内圧が上がれば、反対側の水が押し上げられるだけで数値は測れない。


そして二つの槽には縦にスリットを入れ、石英スリガラスがはめ込んであります。

これで内容物の量が確認できるはず。


汚水の流れは、汚水管→受容槽→パイプ→遮蔽版→処理層→おわん型分離魔法になります。

汚水は分離魔法に触れた時点で大半が霧化して処理層の圧力を上げ、煙突部から霧として排出される…はず。

おわんに残った不純物の粉は、魔法陣の動作止めれば処理層下部に砂のように溜まるので、多くなったら固めて捨てるつもりです。


受容槽の蓋を開けて魔法でドボドボとお水を入れ、いざテスト。

魔法陣に魔力供給しながら、少しずつ遮蔽版を上げていきます。


分離魔法の処理部分が見えるようにスリット切ってガラスはめ込んだけど、一瞬にして曇った。

だけど曇った水滴もすぐに大きくなり、流れ落ちていきます。

何とか見えるな。


簡易圧力計は少し水面上がってるけど、どのくらいの圧力かは分からん。

だけど水が飛び出したりしないから、それほどの圧力ではないと思う。

根性入れて離れながらも魔法陣に魔力供給しつつ、地上に上がって煙突見ます。


わおう、霧が煙みたいに噴き出してる。

水蒸気だから割とすぐ見えなくなってるけど、これは日中にやると目立つな。


下に戻ったら二千リットルの水処理終わってた。


でもちょっと設計ミスかも。

処理層下部にお水が溜まってる。

密度の高い低温の霧だから、すぐに再結合してお水に戻っちゃうのか。

でも何度か二千リットル処理すれば、水位が上昇しておわん型分離魔法の底に当たるな。

だから水位の上昇はそこで止まるだろう。


一応下水処理設備ができたので、おうちまでの配管作ります。

おうちまで直線で配管埋設場所を掘り、配管作って埋めていきます。

二本ほど木を引っこ抜いちゃったけど、地上掘らないと配管の勾配やおうちとの接続位置が分かんないからね。

ちゃんと木も植え直しておいたから、多分大丈夫でしょ。


やっと、やっとのことでおうちの下水配管が工事できる。

下水処理設備への配管の接続部に集合枡を作り、そこから各部屋に配管を繋げていきます。

ちゃんと流れるように少しだけ勾配付けて、各部屋の下水口に立ち上げます。

二階はまだ梁すら無いので、壁に二階用の排水管だけ立ち上げておきます。


……誰、こんなに下水使う設計したの!?

お風呂二つ、キッチン二つ、洗濯場二つ、トイレ四つ、洗面台四つ。しかもおうちでかいから経路長い。あほか!!


はぁ、なんとか一階の下水配管づくり終わった。

もう夕方だから、明日は一階の床と天井張ろう。


さあ、お風呂入るか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る