第69話 魔獣不足? 私はヒノキがほしい
朝来た。
時刻は五時前。
今日もおうちの外観を眺めて、しばしニマニマ。
やっとのことで内装に手が付けられるところまで来た。
今日は監視塔に行って、内装用の材料いっぱい注文しとかなきゃ。
砦に着いたら、今日もカイル君のレベル上げ。
やっぱりレベルは上がらなかったよ。
今日から配給食無いので、内装工事の材料注文がてら町に行くからと、ガイから日報預かった。
でも、監視塔で一括して注文受け付けるから、一人で町には行かない方がいいと止められた。
食糧も監視塔で受け取れるようにするから、砦への物資輸送要員やらないかと勧誘された。
ああ、昨日の私の話聞いたから、私単独で町中をうろつくのは避けたいんだね。
町には食事のために他領から来る貴族いるぞと言われ、諦めてお仕事受けることにした。
ちょっと町を散策とかしてみたかったけど、トラブルの可能性あるなら単独行動は止めとこう。
そして相談あるからと、朝食に誘われた。
今日の砦の朝食は、焼肉と野菜を挟んだバゲットサンド。
焼肉? ステーキ挟んでないかこれ? 朝から重いな。
相談事はレベルアップ依頼だった。
カイル君のレベルアップが遅れてるから町との連絡が私頼みになってるし、カイル君に任せられるようになったとしても一人じゃ負担が大きい。
さりとてカイル君みたいな特殊事情でもない限り、低年齢の子供を魔物圏に連れて来るわけにもいかない。
で、悩んだガイは、自分と一番若い兵士見習い一人をレベル8にして、何とか砦までの飛行魔法を使えるようにしたいと言った。
でも、そりゃ無理でしょ。
ガイが8に上がるだけでも、7の途中だと仮定してもネズ魔二十万くらいは要る。
十二歳の見習いさんを3から8にしようとしたら、三万以上。
カイル君は五百くらいだからいいとしても、全部で二十三万超えてるんだよ。
オオ魔換算でも七千匹くらい要るよ。
そんな数いないでしょ。
「それは無理じゃない? 超大雑把に計算しても、ネズ魔二十三万以上、オオ魔でも七千以上要るんだよ」
「やっぱり無理か。まいったなこれは」
「結局町との行き来が問題なんでしょ? だったら檻罠みたいな荷車作って、中に乗ってけば?」
「…俺たちが檻の中に入るってことか。だが馬が襲われるぞ」
「馬いらないよ。乗ってる人たちが魔法で動かせばいいんだから」
「…俺たちで動かせるのか?」
「飛ばすよりはるかに魔力消費少なくて済むよ。慣れたらスピードも出せるんじゃない? 路面次第だけど。私が運んでた荷車あるんだから、練習したら?」
「あれはでかすぎて森は通れん。…そうだな、悪いが監視塔から小型の荷車持ってきてくれないか? あそこには、ここから避難する時に使った荷車が置いてあるから」
「わかった。でも檻はどうするの?」
「それもあったか。じゃあ注文書書くから届けてくれ」
「りょうか~い」
そういうことになったので、日報と注文書持って監視塔に飛んだ。
荷車無いと身軽でいいな。
監視塔で日報と注文書を渡し、内装工事用の材料もいろいろと注文しておいた。
なぜかハンバーガー四つも渡された。
配給は昨日までじゃなかった?
物資輸送はさっき頼まれたばっかだよ?
私が来なかったらどうする気だったの?
ああ、その時は兵士さんの間食になるのか。
監視塔を飛び立ち、一路北の山脈方面へ。
今日は床と天井用の材木作らなきゃいけないから、ヒノキを探しに行きます。
ヒノキの床と天井、欲しいじゃん!
でも、前回ヒノキ探した時に、おうち周辺には無かったんだよね。
だから今日は未探索エリアを探します。
ちらほらとそれっぽい木は見つけたんだけど、一本ずつ持っておうちと往復はめんどい。
なにせ延床面積百二十坪の床と天井張るし、柱や家具にも使いたいから、いっぱい要るんだよ。
帰りに一気に持って帰ろうと目星だけ付けて北に進んでたら、山脈のふもとまで来てしまった。
むう、ヒノキって日本では群生してるイメージだったんだけど、あれは植林されたものだったのか?
もうちょっと欲しいんだが…。
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