第67話 お偉いさんの会議に出席を依頼されてしまった
朝来た。
時刻は午前五時。時計あると便利だね。
今朝もおうちをしばらく眺めてから、高速飛行。
砦に着いたらカイル君のレベル上げです。
全部でオオ魔十四匹討伐。カイル君、レベル7です。
でも、残りのオオ魔が少ない。今晩どれだけ溜まるかな。
ガイからいつもの日報受け取って監視塔へ。
あれ? また人が多いな。
着陸したらディートリヒもいた。
朝の挨拶したら、人員・物資輸送の賃金渡された。
明日が七日目だと思ってたら、依頼された当日も含んで一週間だったのか。
賃金は金貨七枚だった。
日本とは物価が違うから換算難しいけど、私としては金貨一枚十万円くらいの感覚。
朝の数時間で一回十万円。飛べるって儲かるな。
そしてまた依頼をされた。
五日後にある会議、私も魔物討伐や魔法関連のアドバイザーとして出席して欲しいんだって。
年齢、レベル数、レベルアップ必要ネズ魔数なんか教えたし、城門罠も作ったから知識に期待されてるみたい。
私って階級社会になじまない性格してるから、そういう場に引っ張り出されないように情報渡してたんだけどなぁ…。
渋ってたら、妥協点を相談されてしまった。
私への強要無くて、名前や容姿を会議出席者以外に漏らさないことを条件にしたら、出席者に交渉すると言われてしまった。
魔物関連で少しでも正確な知識を共有するのはいいことだから、そこまで折れてくれた場合は出席するべきだよね。
今日の人員と荷物載せて、一路砦へ。
今日は二人とも正規兵さん。荷台にしがみついてる。
砦に到着したらいつもの朝食。
手紙読んだガイからも、会議への出席頼まれてしまった。
でもなぁ…。私が複数の貴族相手にするのは、結構危険だと思うよ。
場合によっては代官様の責任問題にならない?
「俺、ヒナタと話してて対応に問題感じたことは無いぞ。話される内容には驚きっぱなしだが」
「それはガイが貴族としては少数派だからだよ。普通貴族籍持ってたら、ナチュラルに平民に命令とかしそうじゃない? 特に今回は、貴族籍どころか爵位持ちが複数いるでしょ?」
「う~ん…。ああ、それなら他国の人間ってことにすればどうだ? 貴族が持つ命令権は、基本的に属する領内でそこの領民にしか無いからな」
「私、元から他国の人間だよ。この領に籍無いし」
「あ?…そうだったな。つい仲間気分で考えてた。じゃあ行けると思うぞ」
「まじ? 『どこの国出身だ』とか『俺に仕えろ』なんて言われない?」
「……そんな話になったら親父が止めるだろうが、相手の爵位が上だと止めきれないかもな。そうなったらどうする?」
「ごめん。多分死人が出る」
「はあっ!?」
「私はそんな話は無視するから、その時相手はどうすると思う?」
「不敬だとか言って、強引に……。破壊矢が飛ぶな。だがヒナタならバリア魔法だけでも脱出できるだろう?」
「こっちは悪くないのに脱出して追いかけまわされるの? 元を絶てば即座に解決だよ」
「犯罪者として追われるわ!!」
「犯罪を立証する人がいなければ追われない」
「は…? それってまさか周りも……」
「私もやりたくないよ。でも最悪の場合は絶対やる。私が研究したことをポンポンガイに話すのは、ガイなら知識を正しく使ってくれるだろうし、私がそういった場に出なくてもいいようにって理由もあるの」
「…そこまで覚悟決めてんのかよ。さすがに極端すぎるだろ」
「私ね、以前誘拐されてとてもひどいことされたの。だから私はその時に決めた。絶対理不尽には全力で抗うって」
「…そんな覚悟決めちまうほどひで目に遭ってたのか。悪かった、出席要請は取り消すよう、連絡入れとく」
「ありがとう、ガイ」
まいったなぁ。ガイは話しやすいから、ついほんとのこと言っちゃった。
でも、自分で分かるんだよ。
最悪の場合、私はそのくらいやっちゃうって。
いかん、なんか微妙な空気になってる。
さっさと帰ろう。
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