第60話 さらば砦生活。次の住まいは地下です

私の昼食と夕食の詰まった蓋付バスケット貰って、子供用ベッド、樽風呂と共に建築現場へ飛び立ちました。

子供用ベッド、ノーラとお揃いだから、おうちが完成したら使うんだ。

システムベッドあるけど、設計では私室広いから合わない気がするの。


ベッドに座り込んで樽と共に空を飛んだ。

これは意外にありかもしれない。樽が無ければ。


現場に到着したらベッドと樽を仕舞い、今度は単独飛行です。

いや、昨日の夜思ったんだけど、屋根材は今ある石材に暗い色の石粉を融着する気だったのに、材料考えてなかったことに気づいたの。

みんなも気を付けようね。舞い上がって突っ走ると、大抵は準備不足だから。

私がドジなだけ?…否定はしない。


しばらく飛んで、岩場に到着。

ここ、木材探してた時に見つけたんだよね。

でっかい岩が、地中から顔出してるの。

クマ魔襲ってきたけどさっくり倒して採掘作業。


なるべく黒っぽい岩を探して周りの土をほじほじ。

……でかかった。

いつまでたっても岩全体が露出しないので、面倒になって途中でカットしちゃいました。

それでもジャングルジム二つ分くらいの大きさがある。

浮かせてみたら、中々ごつい魔力消費量。

さっさと持って帰ろう。


やばい、魔力結構持ってかれた。

ええっと、2mx2mx4mで16㎥、比重が2だとしても32㌧もあるな。どうりでとっても重かったよ。


このまま作業すると魔力枯渇しそう。

だけど魔素吸収はガイに止められちゃってるからなぁ…。

仕方ない。仮住まいの環境整えるか。


地下室は落盤防止のつっかえ棒代わりに所々石材積んであるから、柱だらけの部屋みたいで室内使いにくい。

さっきも30㌧以上ある岩を上に置いちゃったから、石材柱抜くわけにもいかないしね。


ベッド、システムベッド、樽風呂、石柱。……なんだこの部屋?

仮住まいだからまあいいか。


お腹空いたので、ランチバスケット開けて昼食。

…なんか重いと思ったら、お皿やカトラリー、ナプキンや調味料まで入ってる。

そして食べ物は、具の方が厚いサンドイッチとスキットルに入ったスープ。

スープはスキットルの蓋緩めて温めるのかな。

具はレタスとトマトと燻製肉、たまごサラダのが各二つ。

だけどパンがかまぼこ型ででかい。

二つ食べたらおなかポンポン。ちょっと寝よう。


お昼寝終了。

お腹もこなれたし魔力も半分以上回復した。

よし、屋根張ろう。


野地板の防水は、いい案浮かばなくて、結局しないことにした。

野地板の上に直接黒っぽい屋根材固定しておしまい。

黒っぽい岩が結構採れたから、粉にして融着するんじゃなくて、そのまま屋根材に使うことにしたの。

魔法で表面つるつるにしたら、多分石英コーティングみたいになって防水できるよね? 前後左右、きちんと接着するし。

万一雨漏りし出したら野地板にシミができるから、屋根裏から点検して補修することにしました。


設計当初は二階の天井張らずに吹き抜けみたいにするつもりだったけど、万一雨漏りで二階からシミが見えたら嫌だから、天井張って屋根裏部屋を作ることにしたの。


計算しやすく屋根材一枚、1mx1mと仮定して、設計では屋根の面積がおよそ180㎡だから、180枚。

厚みを2cmにすると縦積みで3.6m。

材料の比重が2だとしても7.2㌧。かなり重いな。

厚み1.5cmなら5.4㌧か。

あれ? 持ってきた石材、30㌧以上あるよ?

……こんなでかい岩いらんかった。


でも、5.4㌧を凹型の外壁だけで支えられるのか?

…先に各部屋の壁を屋根裏まで立ち上げて、負荷分散しといた方がよさそうだな。

石材積みするか。


土台から屋根裏まで通しの内壁は4枚。

二階までは積み上げてあったから、屋根の裏側まで延長積み上げ。

これ、屋根張る前にやっとくんだった。

棟木や母屋との隙間なくすのに、結構手間がかかった。

きちんとしないと、屋根の荷重分散できないからね。


なんとかできたから砦に帰ら……引越ししたんだった。もうちょっと作業しよう。


明日こそ屋根張りたいから、せっせと屋根材作りました。

デザインは、細長い板を横方向に重ね置いた形状にするつもり。

岩を幅20cm、長さ2m、厚さ1.5cmにカット。

そして表面に石英集めてコーティング。

180㎡分だから450枚。一割分重ねるとして500枚は欲しい。


延々やってたら暗くなったけど、カラ魔来ないな。なんで?

光球出して作業を続け、やっと500枚達成。

あたりはもう真っ暗なのに、一度もカラ魔来なかった。


魔素感知全開にしたら、下の森には魔獣反応とカラ魔らしき反応もあるのに、こっちには来ないな。

ここが魔素の流れを感知しにくい場所なのか、カラ魔は高く飛べないんだろうか?

分からんけど、ずっとこれならありがたいな。


作業終わってお風呂入ろうとして気付いた。

ここってまだ下水施設無い。

残り湯は明日、空中散布しちゃおう。


カラ魔こないみたいなので、樽風呂頂上に出してきて露天風呂気分で入浴。

光源が林の奥まで届かないから、奥は真っ暗。

ちょっと怖いな。

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