第20話 魔人、怖っ!

おはようございます。只今の時刻は、午前一時です。


昨日は午後六時ごろに寝たから、起きたらこの時間だった。

じゃあ今日も頑張って魔物狙撃しよう。


ありゃ? なんか昨日より少ないな。

魔物、ついに在庫切れ間近なの?

まあいいや、さっさと討伐始めよう。


む、討伐してたら少しずつ魔物が増えてきた。

ああそうか。魔素の流れを追ってこの砦に近づいて来るから、遠かったら到着遅れるよね。

時間と共に遠方の魔物が到着するから、明け方前が一番多くなるのか。


うん、このくらいのペースが一番いいな。

焦る必要もなく、次の魔物を待つ必要もない。

いい感じに命中してる。


…お腹空いた。

昨日寝てから八時間くらいだから、そろそろお腹も空くか。

念のためカチカチ棒持ってきたから、齧りながら討伐しよう。

ポリポリ、ポリポリ。


おお、昨日のスタート時と同じくらいになってきた。

結構忙しいな。


…ちょっと押され気味になった。

徐々に狭間の近くまで魔物が寄って来てる。

く、これ以上私のペースは上がらないよ。


うがー! 昨日の明け方前とおんなじだ。

もう魔物が狭間の目の前! しかも魔力もやばいぞ!


よし! レベルアップ来た! レベル12だ!!

ネズ魔換算二千四十八匹達成!


これで魔力量が倍になったはずだから、余裕で飛行できるね。

昨日行けた地点が城郭都市との中間地点だったとしたら、今度は城郭都市まで行っても魔力八割くらい残るぞ。


…待て私。昨日見たのが城郭都市じゃなかったり、何らかの理由で入れなかったらどうすんの?

砦まで戻ろうとして迷ったら、結局魔力枯渇しそうじゃん。


うーん、レベルもう一つ必要か?

それなら万一往復になっても魔力八割は残るぞ。

でも、次は四千九十六ネズ魔だぞ。

あと二日はこれやらなきゃダメなのか…。


うわ! 人来た!? 嘘!?

…あ、これ魔人って奴だ。

魔物に襲われてないし、額に変質魔素の反応あるや。

初めて見たな。……見えてはいないけど。


あー! こいつ動き早い! 当たんない!!

やば、どうしよう!?


ぎゃー!ジャンプして狭間に手をかけやがった。ここ二階だぞ!!

でも至近距離なら当たる!

って、五寸釘破壊矢でも倒せない!?マジか!?

しかも狭間に手を突っ込んで、なんか積み石がゴリゴリ音してる!

早く倒さなきゃ!!!


ぷはぁー、心臓に悪い!

う〇い棒サイズのぶっとい破壊矢で何とかなったけど、めっさ怖かった。

心臓バクバクいってるよ。


さっき狭間から漏れてるオイルランタンの光で顔が見えたの。

顔色紫だし、歯は肉食獣みたいだし、白目が血の色してたし、瞳孔真っ黒で縦長だった。


顔見る前からう〇い棒破壊矢当てようとしてたから何とかなったけど、思わず叫んじゃったよ。

……お漏らしするかと思った。


あ、いかん。まだまだ魔獣いるから討伐続けなきゃ。

く、心臓バクバクで誘導ミスる。

魔人は倒したからもういないんだ。だから大丈夫。落ち着け私。

大丈夫、大丈夫……。


はぁぁぁ…。やっと朝になって討伐終わったけど、もうへとへと。

何もする気になれん。寝よう。

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