第12話 罠大型化

悩みに悩んだ末、城門の大扉を利用することにした。

大扉は荷馬車が通れるくらい(縦5m横4mくらい)の観音開きの分厚い木製扉(金属板で補強されてる)なんだけど、扉の片側に大人がかがんで通れるくらいの小さい扉が付いてるの。人間用ペットドアみたい。

大きな扉は城門の外側、鉄の落とし格子は城門の内側に付いてるから、中が城壁の厚さ1m分くらいの牢屋みたいになってる。

ここを罠に利用しようと思ったの。


小さい扉が内開きだから、ここを自動で閉まるようにすれば、取っ手を引くことができない魔獣は出られない…はず。


ネズ魔が敷地内に入ってくるの怖いから、落とし格子は鉄網でカバーしなきゃだけどね。



……つ、疲れた。

落とし格子重すぎ!

城門上に引っ張り上げるためのロープ付いてたけど、私一人じゃびくともしなかった。


いろいろ材料持ち出して、てこの原理で少し持ち上げて隙間から中に入ったけど、めっちゃ怖かった。

だって落とし格子の下側って、並んだ槍みたいになってるんだもん。

通ってる時に落ちてきたらと思うと、気が気じゃなかったよ。


中に入ってなんちゃってドアクローザー取り付け。

小さいドアの上の大扉に細めのロープを固定し、ロープの先に重り代わりの石を結んだだけ。

あとは小さいドアに木片挟んで、隙間から中が見えるようにしておいた。

これで魔獣が扉を押して入ってくれば、木片は下に落ちてドアは閉まる…はず。

一応動作テストでは、ちゃんと動いたよ。


新罠が出来上がったのは夕方少し前。

水球当て練習してたら、命中率が二割くらいになってた。

あとは瞑想してから、昨日の残りの半生クッキー食べて入浴。

はぁ、今日は罠作りで疲れたな。

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