第11話 魔法開発③

あさー。

ぬ、今日はネズ魔三匹か。

次のレベルアップまで十三匹だったから、昨日の分入れて残り十匹か。あと三日は要るな。


今日は討伐前にちょっと実験しよう。

罠の押さえに使ってる木箱に座り、瞑想して魔素を感知してみた。


……ダメだ。ガサゴソ音がするし、いるって知ってるから、意識が罠の方に向いちゃう。

これじゃあ感知してるのかどうか分かんないや。

明日は罠見る前に何匹いるか感知してみよう。


じゃあ討伐タイム。

今日は破壊矢じゃないの。

まずは、ネズ魔の魔核見ながら魔核を直接破壊するつもりで魔法発動。


…魔法は発動しなかったけど、自分の魔力が減った感覚はあった。

これができれば私の魔素干渉範囲内の討伐が簡単になると思ったんだけど、そうそううまくは行かないね。

たとえ自分の魔素干渉範囲内であっても、相手の魔素干渉範囲内ではこちらの魔法は発現できないってことだろうな。

私を中心にした魔素干渉範囲の球体の中に、ネズ魔の小さい魔素干渉範囲の球体があるような感じか。


じゃあお次は破壊球だ。

矢じゃなくて球体なら、相手にぶつかる面積が増えるから、その分魔核に当たりやすいよね。

問題は防御膜、というより相手の纏ってる魔力という名の防御層。この層を突破できるかどうかだけど、ネズ魔程度の防御層なら何とかならんかな?


…いけた。

パチンコ玉サイズの破壊球作ってぶつけたら、一発で討伐できた。

そりゃあ爪楊枝よりパチンコ玉の方が、当たる範囲広いわな。


…気をよくして二匹目に撃ったら避けられた。

く、まだまだ命中率低いや。

球体にしたことで魔核に当たる確率は増えてるはずだから、地道に練習しよう。


討伐で減った魔力を補充しようと瞑想始めた。


…さっきの魔素感知のイメージが残ってるのか、どうも罠方向が気になる。

瞑想に集中できないので、罠を外して点検してみたら…。

イタチっぽい魔獣が壁の穴に詰まってやがった。

一応魔素感知、できてるのかな?


壁の穴はこちら側が狭くなってるみたいで、入り込もうとして途中で詰まったんだな。

こちら側から穴をのぞくと、穴にパンパンに詰まった顔だけ見える。


ケ、おまぬけさんめ。お前はイタ魔だな。

動けないし核の一部も見えてたので、サクッと討伐しました。


ほわっ!? レベルアップした!

イタ魔は一匹で十ネズ魔なの!?

これは…早急に罠増設して、レベルアップ効率上げたいな。


とりあえずネズ魔の罠は元通りにして、新たな罠の設計考えよう。

砦内を物色しつつ、罠に使えそうなものを探し回った。

うーん、どんな罠にしよう…。

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