第13話 魔法修行①

朝来たー。

まずは新罠確認。


……一匹でも入ってればいいとは思ったけど、これはひどい。

落とし格子の向こうには、オオカミ型の魔獣が一匹。お前はオオ魔だな。

オオ魔がいるのは…まあいいとしよう。

だけどその周りには大量のネズ魔、イタ魔やウサ魔もいる。

大量すぎてきもいぞ!


しかも魔物たち、私の姿を見るなり落とし格子に飛びついてくる。

びっくりして尻もちついちゃったじゃん!


落とし格子の手前に張った金網に手を近づけ、破壊球発射。

…パチンコ玉サイズの破壊球では、オオ魔の防御層を貫けないみたい。破壊矢にしたら討伐できた。

破壊球と破壊矢は同じくらいの魔力消費なんだけど、やはり面より点の方が防御層突破しやすいんだな。命中率下がるけど。

でも破壊矢を当てるのは簡単だったよ。

だってオオ魔、格子に噛り付いてたからね。


でも私、レベルアップしない。

オオ魔じゃネズ魔三十二匹分には足りないんだな。

次にイタ魔一匹討伐したら、レベル上がった。

そして残りも殲滅してたら、またレベル上がった。

ネズ魔換算で六十四匹分もいたのか。

数えずに討伐してたから分かんなかった。

次は百二十八ネズ魔か、…もう数えるの面倒だな。


討伐を済ませた後は、魔法使って魔核回収して小さい扉に木片挟みなおしといた。

この木片、最初の一匹が通った後は下に落ちちゃってるんだけど、要るかどうか分かんないや。

でも獲物ゼロになったら嫌なので、一応付けておこう。


そのあとネズ魔の罠を確認したら、ネズ魔四匹かかってた。

さくっと討伐した。


でもおかしいな。

魔獣討伐の兵士さんたち、私なんかよりはるかにレベルが上がってるはず。

私が八日間でこれなんだから、前線の兵士さんたちはたとえ新兵でも、一年もすればみんな超人的強さになるよね。

だとしたら、なんで魔獣に戦線圧されてるんだ?

うーん、謎だわ。


朝の討伐終えたら、今度は魔法の練習。

オオ魔にパチンコ玉サイズ破壊球効かなかったから、オオ魔以上の魔獣には中サイズ破壊矢か大きめの破壊球が必要になる。

じゃあもっと命中率上げないと、相手が自由に動ける砦の外での戦闘なんて、一戦するだけで魔力枯渇しかねない。

それじゃあこの森抜け出せないよ。


今ある食糧だって半年も保存できないだろうし、今でさえ保存食に飽きてきてるから、なるべく早くどこかの街に行きたいんだ。

だから頑張って命中率上げなきゃね。


その後、射撃練習してて朗報が!

ある程度、水球を着弾誘導できるようになったの。

レベル上がって魔素の干渉領域広がったから、試してみたら水球をカーブさせることができた。

それでもまだ、5m離れての命中率が五割くらいだけどね。


夕方、瞑想と魔素感知練習してたら、カラス型魔獣に襲われた。

小賢しくも滑空して後ろから襲ってきたけど、魔素感知にぼんやりした反応があって振り向いたの。

急速に迫る影に驚いたけど、何とか避けられた。

びっくりして座ってた木箱から転げ落ちちゃったけどね!


空中で反転して襲ってきたので、破壊球の餌食にしてやった。

こっちに突っ込んでくる上に空中だから、急な進路変更されずに一発で仕留められた。ざまみろ!


でもさあ、城壁内も安全じゃないってマジなの?

日中の城壁内くらい、のほほんといさせてよ!

まあ、魔素感知が有効なのは分かったけどね。

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