恋と冒険はアンラッキー7に聞け
(KAC20236 お題は「アンラッキー7」。この注意書きを書く前は、777文字だったんです。)
(前回までのあらすじ)
本屋で美少女に一目ぼれしてついてったら、非日常が次々ぼくを襲ってきた。
懸案だった悪魔の残骸はようやく片づけたものの、謎はまだたっぷり残されている。
ぼくの恋と冒険の、明日はどっちだ?
* * *
懸案の掃除は片づいた。さあ、今度こそ帰ろう。
ぼくは出口へ体を向ける。そしたらそこに、ぬいぐるみのクマが立っていた。なぜか歓喜の涙でスタンディングオベーションだ。
「ブラボーよっ! シュウくんったら、まっったくブラっボオー!!! だわ! やだ、あたしったら泣いちゃってる」
涙を拭いながら近づいてきて、ぼくの脚をぽんと叩いた。とんでもない大腿四頭筋でバキバキになってるあたりを。
「ぜんぶ見させてもらったわ」
だったら手伝えよ。
「筋肉が躍動するのって、やっぱりいいわあ」
なに言ってんだ。
「すてきだったわ。おもわず見惚れちゃった」
だから、見てないで手伝えって。
言いたいことはいろいろあるのに、ぼくの唇はわなわなふるえて、言葉にならない。
「…………なあ、ベア?」
落ち着こう。落ち着いて、話を整理しよう。
「……きちんと説明してもらおうか」
どうしてぼくはこんな筋肉質な体になっちゃってるのか。どうしたら戻れるのか。ぜんぶこのクマのしわざなのか。あとは契約だとか、悪魔ってなんなのかとか、ワームホールの向こう側はどうなってるのとか、それから、あの美少女はなにものでなんて名前で、何座の何型でどんな枕で寝てるのかとか。
徹底して聞いてやろうじゃねえかってぼくの気迫をするっとスルーして、クマは天真爛漫に言った。
「もちろんよお。なんだって教えちゃう。なにから聞きたい? まずはやっぱり”アンラッキー7”のことよね」
「は?」
初めて聞いたぞ。ぼくの記憶力がおかしくなってるんじゃなければ、ぜったい初めて聞く言葉だ。この期に及んでなんなんだよ一体?
(おわり ・・・ 次回、最終回のはずです)
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