第10話 再会と...
外へ出ると、道の真ん中をいく集団が見えてきた。
その集団は全身鎧を纏った騎士たちが周りに配置されていて、中心には軽装に身を包んだ男女一組。
あの男女が勇者なのだろう、そして
「ビンゴ―だね」
彼らは、良介と凛であった。
と、その集団がギルドの前で止まる。どうやらギルドに入るようだ。出てきた意味なかったねー。
集団がギルドに入るのに続いて私もギルドにはいる。
ギルドの中では…。
「勇者様のご到着だ、誰かギルドマスターを呼びたまえ」
騎士がギルドマスターを読んでいるみたいだね。
それを横目に私はアンドレイの横の席に戻る。
「…友人はいたか?」
「うん、ビンゴだねー」
「…会わなくていいのか?」
「…うん、少し様子見」
「そうか」
そんな感じで良介と凛の様子を眺めていたら。
「…お?」
「…!?」
良介と目が合った。
私と目が合った良介は何やら凜に話しかけている。
話しかけられた凜は焦った様子で良介を…止めている?
そんなこんなを繰り返していたと思ったら、諦めたのか凜が良介を抑えるのをやめる。
すると良介は…なぜかこっちに向かってズンズンくる。なにごとー?
そのまま私の前まで来た良介。
あらためて見ると良介ってかなりのイケメンだよねー。
そんなことを考えていたら。
「お、お嬢さん」
「…なにー?」
「突然で申し訳ないんだが!」
「…?」
「一目ぼれした!俺と結婚してくれ!!!」
「…へ??」
良介、何を言っているのかな?
「あなたの美しい虹色の瞳、白銀の髪の毛、そして美しきケモ耳、すべてに惚れました!」
…客観的にいって最悪な告白だね、いくら良介がイケメンでも普通にきもーい。
さっさと断って、正体をばらそうかな…いや待てよ。
「…いいよー」
「!?ま、マジすか!?」
「ただし」
「た、ただし?」
「この町の防衛戦で活躍したらねー」
勇者なら十中八九活躍するだろう。
そうして防衛線が終わって、さあって時に正体を明かせば、きゃは、めっちゃ面白いじゃん。
中々衝撃的になるだろうなーふふ。
「ふっ、そんなの勇者の俺からしたらお安い御御用だ!」
そんなやり取りをしていると凜が来た。
「見ろ、凜、条件付きだがOKされたぞ!」
「…ねぇ、あなた、何か脅されたりしたの、大丈夫?」
わー、凜がガチで私の事心配している。
「おねーさん、ちょっとこっちきてー」
「な、何かしら」
凜を良介から引き離し。
「あなたどういう…」
「久しぶりー、凜」
「へ?」
「私、ミナミだよー?」
「!?え、み、南くん!?」
「そー、天界でこの姿にされちゃったけど小鳥南だよー」
「…なるほどね、なかなか衝撃的だけど」
「今回のは良介をからかおうと思ってねー、防衛線が終わった後に良介には正体をばらすからー」
「…ミナミ君、相変わらずいい性格しているわね…」
「でも面白そうでしょー?」
「ふふ、そうね、良介君の反応が楽しみね」
というわけで、ここに良介いじめ臨時同盟が締結されたのである。
「勇者様こちらに」
と、凜の事を騎士が呼びに来た。
「じゃあ、またあとで、ミナミ君…いや、ミナミ…ちゃん?」
「またあとでー」
そのまま去っていく凜、きっとこれからギルドの偉い人と話し合うのだろう。
「…いいのか?」
と、そこでアンドレイが話しかけてくる。
「なにがー?」
「さっさとお前の友人の小僧に正体をばらさなくて」
「いーの、いーの、そっちのが面白いからー」
「…まあいい、俺には関係ないからな」
そりゃそうだねー。
「あ、あの」
とそこで私たちに話しかけてくる人物…受付のお姉さんだ。
「…なんだ?」
「…ギルドマスターがお二人を及びです」
…アンドレイだけじゃなくて、私もー?
「いくぞ」
「はーい」
受付のお姉さんに案内され私たちは二階へ向かう。
二階の会議室と思われる場所では、良介や凜を含めた面々が深刻そうな顔をしていた。
「…なんだ?ギルドマスター」
「来たか…アンドレイ」
アンドレイがなんか禿げたおっさんに話しかけられてる。
ギルドマスター?ギルドの責任者ってことかな?
「それとミナミといったか?」
「そうだよー」
「…ミナミ?」
とそこで良介が反応する。
「どうした勇者殿」
「…あ、いや知り合いの名前と似てたもんで」
良介、似てるというか本人なんだけどねー?
「ギルドマスター、要件は」
アンドレイが簡潔に問う。
「簡単だ、アンドレイ、今回はお前にも動いてもらわなきゃ…ラルトが滅びる」
「…ほう?」
「…スタンピードの規模が異常だ…推定数十万体いる」
…数十万体って…なにその数?魔物の中にナポレオンでもいるのー?
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