第6話 VSイケおじ、決着
ギルドの建物から飛び出すと、同時にこちらに飛来する複数の弾丸、わー殺意マックスだねー。
それをミョルニルで迎撃する。
「できるだけ、周りを巻き込まないように戦おうよー?」
「…今さっき建物の壁を破壊した奴のセリフではないな、小娘」
アンドレは二丁の拳銃を持ったままだ。
「まだ、それ使ってるのー?それは私に通用しないってー」
「それは…どうかな」
―パァーン
「おりょ?」
背中に衝撃を感じる、脇腹当たりに熱を感じた、見てみると脇腹に穴が開いて血が流れ出ている。
「がふっ…いったーい、あれーおかしいな?この服、壊れないはずなのになー?」
しかも、弾丸は後ろから飛んできたよー。
どういうことだろー?
あの拳銃の能力?さすが異世界、何でもありだねー。
取り敢えず傷を塞がないと、失血死しちゃうね。
起源魔法、発動~。
「痛いの痛いの飛んでけー」
するとみるみるうちに傷が塞がっていく、ついでに服に空いた穴も、さすが起源魔法だー。
「小娘…その力…天界にどれくらいいた?」
「んー確か、6年くらいかなー?」
「なるほど、イカれているわけだ」
「おじさんも大概だとおもうけどなー?」
そのままアンドレイに向けて再び踏み込みミョルニルを叩き込む。
私の打撃を二丁の拳銃で防ぐアンドレイ、今度は吹き飛ばせない。
アンドレイ、がそのまま蹴りを放ってくる。
―ドコッ!
だがこちらにダメージはない。
「なるほどねー、その拳銃が特殊なんだね」
「…」
なんだろうねー?シンプルにあらゆる障壁を無力化して貫通するとか。
「…リンコール」
アンドレイが何事か呟く。
「んー?」
突如、あたりが暗くなる。なにー?
そしていつの間にか。
私の周囲を数多の口径の機関砲や大砲が囲んでいた。
―ドバンッ!
それが同時に火を吹く。おー壮観だねー。
「雷よー」
それに対して、私はミョルニルを地面に叩きつける
―ズバッ!
地面から発生した雷がヤマタノオロチのごとく枝分かれして、すべての砲弾を迎撃する。
すると視界が晴れ元のギルドの建物前に戻る。
アンドレイはどこだー?
「スターリングラードの剣」
後ろからそう聞こえたので、振り向きながらミョルニルを全力で振るう。
―ガキンッ!
アンドレイがいつの間にか持っていた剣とミョルニルが衝突し…
両方とも砕け散った。
破壊されちゃったよー。まあ問題ない。
「こい、ミョルニル」
再びミョルニルを創り出す。起源魔法、様様だねー。
アンドレイは少し距離をとりこちらを観察したままだ。
「どうするー、まだやるー?」
そろそろ、ミョルニル以外の武器も出してみようかなー?
「…小娘、さっき何故、俺を止めた」
んー?
「言ったじゃん、過剰防衛だからー」
「…そうか」
と、不意にアンドレイがキラキラした何かを二つこちらに投げてくる。
それを受け取る。
視てみると其れは虹色に光る硬貨だった。
「これはー?」
「一つはギルドに渡せ…もう一つは小娘、お前にだ」
んー?一つはギルドへの迷惑料かな、もう一つはー、私?
「…久しぶりにそこそこの戦いができた、持ってけ」
おおー、本当にストレス発散になったみたいだね、よかった、よかった。
絡んできた相手を問答無用で殺すなんて、相当フラストレーションが溜まってないとやらないだろうしねー。
「じゃあな」
アンドレイは踵を返し何処かへと行く。
「うん、またねー」
「…ああ」
よし、丸く収まったね!
でもなー、まさか手傷を負うとは予想外だったなー。
最強にしてくれって言ったのにねー?まあ、アンドレイが例外だったのかなー?転生者か転移者のどちらかだろうし。
…それにスターリングラードの剣、か…じゃあ、出身はあそこかなー?
「終わった…のか?」
「…引き分け、ってことか?」
「おいおい、同じSS冒険者でさえぶち殺した、アンドレイと引き分けって」
「おお、あんなかわいいのに、あんな強いとか、彼女は女神かなにだろうか」
「黙れ、ロリコン野郎…にしても」
「ああ、このラルトに化け物がもう一人か…」
「しかもアンドレイに喧嘩を売る狂犬、これは一波乱ありそうだ、いやもうあったのか…」
「俺、拠点変えようかな?」
また外野がうるさいなー。
と、一人の男が近づいてくる。
「お、おい」
「あ、ジャンキー」
「…ケガは…なさそうだな」
「治したからねー、それよりコレ、どうしよう」
「…な!虹貨じゃねぇか!?」
虹貨?貴重なのかなー?
「丁度いいや、コレ、ギルドに渡しといてー」
虹貨をジャッキーに投げ渡す。
「うお!な、投げんじゃねぇ、て、お前、ギルドに依頼を受けに来たんじゃ」
「今日は疲れたから、もう寝るー」
「…そうか」
そんなわけで、私はそのまま宿に戻る。いっぱい寝るぞー。
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