Behind the scenes ~After the first death~
「...よかったんですか?」
「いいよ。別に。もう十分でしょ。」
「想定とずれた結果になってしまいましたが...」
「うーん、でもこういうのもありじゃないかな。もう少し引っ張るつもりだったけど冗長になっちゃったかもしれないし。」
「なるほど。」
「なかなか画も迫力があったし、一章はこのくらいにしてさっさと次に移ろう。」
「次と言うと...彼らの出番ということですね。」
「うん。いよいよ本番ってわけだ。」
「大丈夫なんですか?」
「何が?」
「いえ...その...重なってしまうのではないかと。」
「当然そうなるだろうさ。それが狙いだからね。希望の象徴と絶望の象徴。これほどまでにビタっとはまる対立構造はない。」
「受け入れられるでしょうか?」
「もちろん史実とは少し変えるつもりだよ。きちんと盛り上がる造りにしたいしね。まぁ結果が同じになるかどうかはあの青年の頑張り次第って感じかな。」
「しかしながら相手があの"騎士団"となると...どこまで続けられますかね。」
「そればっかりは分からない。彼らも人間界に慣れるにはそれなりに時間がかかるだろうし。何よりあの火は特別なんだ。君も知ってるだろうけど。」
「...今更ですが、なぜこれを作ろうと思ったのですか?」
「え?いやまぁ...やっぱりヒーローってかっこいいじゃん? 確かに暗い歴史はあるけどさ、ほとんどの奴らは歴史に無関心だし無思想だ。やたらと戦いの歴史を美化したがるきらいもある。そう考えればそこまで問題は感じないと思うけどな〜。」
「シーマたちはやはり納得していないみたいですが。」
「一定数そういう人たちもいるだろうさ。それはもうしょうがないと割り切ってる。」
「恨まれても特に問題はありませんしね。」
「そーゆーこと。」
「...申し訳ありません。少し話が伸びてしまいましたね。私も準備に取り掛かろうと思います。」
「いやいや、僕もちょっと話し過ぎた。」
「それではこれで。」
「うん、頼んだよ〜。」
「そういえば…名前はもう決めたんですか?」
「...痛いとこ突くねキミ。」
「もう計画は進んでいます。決定はお早めに為さることをオススメします。」
「分かってるよ!でも人間の言葉は難しいんだ!シーマだって苦労してただろ!?」
「ここまで来たらそこまで人間語にこだわる必要も無いのでは...?」
「いや! もうここまで悩んじゃったんだし、ちゃんと人間語でかっこいい名前を決めるさ。」
「そうですか。とにかく次の章には間に合うように。」
「善処するよ! うるさいな!!」
「失礼します。」
静かに扉を開けて女は部屋を後にした。
「くっそ〜...やっぱり英語名の方が響き的には...いや、日本語名の方が伝わりやすいか...?ドイツ語という選択肢も...がぁぁ!!悩ましい!!」
苦悩する男の声が部屋に響き渡った。
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