Behind the scenes 〜After prologue〜
「いやぁ〜お疲れお疲れ!」
「………………」
「まぁ、そう怒ってくれるなよ!あぁでもしないと君全部喋ってたでしょ?」
「………………」
「そうなるとね〜まぁ展開にそこまで差はつかなかっただろうけど、やはり盛り上がりに欠けてしまうのだよ。分かるかな〜この感じ。」
「………………」
「...まぁ別に良いけどね。そう睨みたくなるのも分からなくはないさ。」
「………………」
「とりあえずプロローグはこんなもんでしょ。さてと、これからどうするかな。また考えないとね。」
「………………」
「あ、もう行ってくれて構わないよ。普通に労いたかっただけだから。もうこっちから指示を出すようなことはしないさ。」
「………………」
「残っててもいいけどね。もう君にはどうすることも出来ないし。」
「………………」
「あ!そうだ!これ言い忘れてた!」
「………………」
「君勝手に身の上話しようとしたよね?あれは勘弁して欲しいな〜。途端に白けちゃうじゃないか。」
「………………」
「ご丁寧に約束までしちゃってさ。困るよ全く。」
「……物語にも多少のリアリティは必要では?」
「やっと口を開いてくれたね。でも惜しいな〜。世の中にはねフィクションとして見るからこそ楽しめる作品というのもある。これはその類だよ。」
「これはフィクションじゃ……」
「いいや、フィクションだよ。あっちからこっちに干渉することは無いけど、こっちから一方的に"編集"や"演出"することは出来るわけだからね。少しリアルでちょっと大きいだけの舞台に過ぎない。」
「………………」
「ま、この辺は思想の違いさ。押し付けあってもどちらが正しいと証明されることは無い。」
「………………」
「もういいかな。君に対して求めているのは作品に対する意見じゃない。その容姿と演技力だけだ。あ、でもあの涙はガチのヤツでしょ〜。さすがにアレ演技だったらむしろドン引きだよ。」
「……失礼します。」
「そうだね。ホントに礼儀がなってないよ。もっと従順だったら可愛がってあげたのにね。」
女は部屋を出るとすこし荒っぽく扉を閉めた。
「……ま、いっか。さーて仕事仕事!」
男は再びペンを握った。
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