第26話 その花は、ガラスのきらめき。

一瞬だけ。


 まるで、仮面ライダーリバイスの、最新映画に出てくる人みたいに、首の真ん中を確認する。

 正確には、のどぼとけがあるか、確認することがある。


 女として生きて、呼吸して、音を消して、神に近づいて、誹謗中傷を受けて、男でもない、女でもない、神の領域を目指して、何年になる。


 気がつけば、祭り上げられ、背中を押され、奈落へと、落ちて行く。


 ガラスでできた動物園のように、

 姉さんが落ちて行くのを、

 僕は黙って、眺めていた。

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