第27話 転向した女
姉さんが精神的におかしくなったのは、誹謗中傷にあってからだ、と記憶している。
地方の小さな劇団であっても、時代の流れには逆らえなかった。
どうして時代と言うものは、弱き者よ、なんじの名は女、と言うように、男ではなく、女にばかり災いが降りかかるのだろうか。
姉さんは舞台に出るのをやめた。
ガラスの動物園では、ローラがどうして引きこもりになったのかの描写がある。
私はこう聞いた。
職業訓練学校で、吐いてしまったのだと。
姉さんが、社会に出たのが早く買ったばかりに、ガラスの動物園のローラになるのは早かった。
いつもそうだ。
弟と言うのは、黙って姉の後を追い抜いて、気がつけば、背は伸びていき、その背はいつか、竹馬に乗りながら天までとどき、そして、太陽まで届いて、落下する。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます