第3話 偏見

 草太が意見を述べ終わったとき、声の主が再び、聞こえてきた。「ボッチの人に対する周りの声を流します。」


 そういうと、音声が流れ始めた。

 「無口で友達いない人って不気味だよね。」

 「そうそう。何考えているかわからない。」

 「笑ったことないんじゃないかな。悲しい」

 

再び、声の主がいった。「私もボッチの人の気持ちがわかりません。話しかければ友達ができると思うのですが。そんな簡単なことがなぜできないのか。余程、性格がネジ曲がっているのかな。」


 「酷い。」鍋浦夏美がそう言った。


 「私達は好きで一人になっているわけではない。なんだか私達もわからない。嫌われるような雰囲気をしていたのかもしれない。話しかけるなオーラを出していたのかもしれない。」


 声の主が驚いた。「そうですか。貴方達を煽ることで本音を聞き出したいのです。」


「夏美さん次はあなたですよ。あなたが孤立した理由を語ってください。皆の前でプレゼンしてください。」


 そういうと教室が静まり返った。

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ボッチ研究会! 狼男 @shinshin4445

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