第2話 草太

「まずは僕からなぜボッチになったのかを話します。僕の名前は、草薙草太です」

「僕は、中学校の頃は小学校が同じクラスの子とか同じテニス部の子がクラスにたくさんいたのでボッチを回避できました。しかし、高校で知らない人たちだらけになって、話しかける勇気すらありませんでした。」

そして、続けた。

「もちろん、僕以外にもボッチ予備軍は何人かいました。でも彼らは彼ら同士で仲良くなりました。僕は鎌野諒也という奴と仕方なく友達になろうとしました。しかし、できませんでした。」

「彼と一緒に移動教室を行こうと話をしたら、前の授業で疑問があるから、先生に質問するっと言って断られました。そのくせ、自分も体育の授業でペアやチームを作れと言われたときはそばにくるので内心イラッとしてました。彼はマイペースというか、何かわからないけど腹に立つんです。行動が遅いところとか、自信がないところとか。」

「でも、そういうところも自分となんか似ているのではとも思います。」

「他の人とも話しかけても仲良くなれませんでした。僕はこのクラスに必要のない人間だとも思いました。休み時間も一人で退屈だし。」

「意味のない高校生活で。」

「友達がいないやつだと周りから思われていたのも嫌でした。プライドがずたずたになって、不登校のほうがマシだとも思いました。ただ、勉強は好きでした。」

「家族のみんなもコミュ障だったのかなと。人より会話するのが苦手で。何を話題に切り出したら良いのかもわからなかった。」

「一人の孤独な高校生活だった。ほんとに寂しかった。陽キャにも陰キャにも嫌われているのかと。無口で喋らないやつ設定になってました。」

「部活が好きだったのでそこで一生懸命打ち込むことで忘れてました。大会で、県大会シングルスベスト8という結果を残せました」

「つまらない人生だな、監獄だと高校時代は思いました。なんで友達になれないんだろうと、自分なりに努力してもだめでした。」

「一緒にみじめな思いを共有できる人がいなかった。プライドも高かった。自分の特技すらわからなかった。今思えば、それをもとに小説サイトに投稿すればよかった。」

「便所飯だけはしなかった。文化祭は同じ部活の人と回った。文化祭準備のときのうちあげに呼ばれなかった。」

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