Vol2
「あー、やっとついたか」
俺、物怪春(もののけはる)はようやく引越し先に到着した。
俺の地元からこの引越し先までかかった時間は5時間。
こんなに長いのは何故かと言うと、
「なんでこんなに山ん中に家があんだよ。この家作ったやつは一体何食ったらこんなとこに家作ろうとか思ったんだよ」
そう、家があるのがアホみたいに山奥だからだ。
そもそも普通は大学に通うことになるのだからこんな大学から離れた山奥なんかに引っ越すことなどないのだ。
「あんのクソ親父、こりゃいったいどーゆーことだよ。家賃がクソ安いし立地もいいとか言うからここにしたのに話とちげーじゃねぇか」
親父から聞いてた話だと
「春、この家少し古めかしいが、今なら破格の家賃25000円、さらに周りも自然豊かで、大学からもまあまあ近いぞ」
「まじかよ! そこにするわ!」
「よし、じゃあここにしとくぞー、場所はスマホに後で送っとくから、後は自分で何とかしろよ。俺は、仕事があるからもう行くぞ」
「おう」
こんな感じで家賃も安いし周りが自然豊かなのも気になったが、大学からまあまあ近いならいいかとここにしたのに、
「確かに家賃が安いのもほんとだし自然も豊かだけどよぉ、なーにが大学から近いだ、こっから大学まで2時間もかかるじゃねぇか、おわりだろこれ」
普通に俺の大学生活が終わったと思った瞬間だった。
「あのクソ親父、後で電話で問いただして絶対ぶっ殺す」
とりあえず今の時点で親父に連絡するのは確定した。
「にしても、スマホも圏外かよ。マジでやばいだろこれ、だれにも連絡とか出来ねぇじゃねぇか」
それもそのはず、こんな山奥で携帯の電波など繋がってるはずもなく、微かな希望もたたれた。
「はぁ、ごちゃごちゃ言っても仕方ねぇか。とりあえずここまで歩くの疲れたし家ん中入って何もかも一旦忘れて寝よ」
今はまだ春の初めだが、山の麓からここまでで1時間くらいかかったのだ。
それだけ歩けば疲れるのも当然。
だからとりあえずこの家の中に入って、一旦記憶をリセットしてもう一度考えよう。
そう思い家の戸を開けた時だった。
そいつが現れたのは。
「あ、どうも家主、この度はここを選んでくだ」
すぐに戸を閉めた。
「あー、俺疲れてんのかな、なんか今いたような気が⋯⋯」
「もぉ、何で閉めるんですか家主ぃ?」
「おぅわっ! 何だお前!?」
やはり気のせいではなかったようだ。
閉めた戸が再び開かれてそこにいたのはちびっこいまだ小学生と言っても差し支えないくらいの見た目の少女が立っていた。
「何だお前とは失礼な、僕はお前じゃないです、座敷わらしの雪です!」
「座敷わらしぃ?」
目の前のちびっこい少女、雪は突然現れそんなことを言ってきたのだった。
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どうもこんばんは、秋楓です。
こんな夜中に投稿申し訳ありません。
ノリと勢いで書いてるので許してくださいませ。
ちなみに春くんはアホの子です。
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