思春期

勝利だギューちゃん

第1話

「女子と肩を並べて、放課後デートをする」

思春期、特に高校生の男子ならだれもが一度は、思い描く。


俺だって、それを夢に思わなかったと言えば、嘘になる。


でも、現実は非情。

そういう事が許されるのは、イケメンだったり、悪だったり、

そういう男に限定される。


俺は自分のルックスには自信がないので、早々にあきらめた。

あきらめたのだが・・・


「ねえ、今日暇?」

クラスの女子に声をかけられる。

この子は・・・


だれだっけ?

名前が出てこない。


「暇じゃない。忙しい」

「帰宅部なのに」

どうせ、ろくなことないだろう。


「ダラダラしたり、ゴロゴロしたり、ぐうたらしたりで、忙しい」

「却下。付き合って」

「いじめか?」

「違う。純粋に君と付き合いたい」

誤解を招くな・・・


「どこへ?」

「これ」

映画のペアチケットをみせる。


これは・・・

観たかったやつだ。


「友達といけ」

「みんな用事があるって」

「彼氏と行け」

「昨日別れた」

「じゃあ、明日にしろ」

「期限は今日までで、ペアでしか入れない」


ああ、身代わりね。


「付き合ってくれるよね?」

「わーったよ」

「ありがとう」

喜ばれる。


そぶりだな。


「じゃあ、行こうか」

放課後、彼女は腕を組んでくる。

「報酬は?」


こうして、夢を叶える事になる。

そしてこれは、一度では終わらなかった。


だが、何で俺なんだ?

毎度毎度・・・

女はわからん。


「鈍感」


何か言ったか?

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思春期 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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