アメジスト=ターコイズ

人間 / 17歳 / 女 / 173cm

趣味:愛馬のブラッシング

好き:両親、愛馬、人助け

嫌い:政治家

パーティの中で一番:酒に強い


凛とした姿にどこか気品を漂わせる若き妖精騎士見習い。

人助けを人生の信条とし、今回のコルガナ地方来訪についても困窮する民を救うために魔神殲滅作戦へ参加した事による。他の仲間と比べれば教養はある方だが、裕福な王家の日常と貧乏性な父親の両面を見て育ったため金銭的な価値感覚は通常とは少し異なるようだ。

キャラ所持者に一任されたのでカクヨム作成者が立ち絵も経歴も書いた愛着強いキャラ。異様に長い経歴も(略

"アメジスト"の元々の由来がギリシャ語で「酒に酔わない」との事で、17歳だけど対アルコール最強キャラになりました。ラクシア世界は15歳で成人!


技能

ライダー / フェンサー / フェアリーテイマー


流派"ヒアデム魔力流転操撃"を使用し毎ターン安定した火力を供給する魔導騎士。

大火力は難しいが騎獣の攻撃も合わせた手数勝負が得意。小回りの利くフェンサーと妖精魔法の多彩さでパーティの足りない部分を補う器用富豪ビルド。巨額の費用は経歴による前金でカバー。


<3.傭兵>

目的:オクスシルダで行われる魔神殲滅作戦の参加

魔神殲滅作戦を計画しているオクスシルダの冒険者ギルドに雇われた為。

特別ルール:契約金として前金10000Gを受け取る。

 ⇒成功時、20000Gの報酬を得る。ただし、71日~77日後に開始される作戦に参加しなかった場合は違約金20000Gを支払う事。



◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


アルフレイムとは違う土地、テラスティアと呼ばれる広大な大陸の最南端に位置するフェイダン地方。大破局以後の混沌に包まれた状況下において安定した人族領域として有名であり、5つの国家が良好な関係を結び今もなお蛮族の脅威を退けている。アメジストはそのうちの一つ、アイヤール帝国に生まれた皇女であった。


国土が拡張されるたびに築き上げた城壁を樹木の年輪に例え、アイヤール帝国は"年輪国家"とも称される。無数の城壁は国を5つに区分し、壁を越えると同じ国家とは思えない個性的な文化圏が形成されている。皇族が住み伝統と魔動機の組み合わさった異文化郷≪皇城領≫フェーゴ、機能的かつ美術的なトンネルと地熱温泉が有名な≪深淵領≫グロンド、蛮族の一大拠点と接し今もなお激戦の続く≪血風領≫シュナイダー、魔導機術を最大限利用した大規模農地≪鉄穀領≫オースティ、カジノ・ファッション・宝飾品の並ぶ夢の国≪享楽領≫ザルドル。皇帝領を中心に広がる多彩な光景は、訪れたものを驚嘆させるのに十分なほどであった。


軍事国家としても名高い帝国で魔神による襲撃事件が起きたのは20年ほど前。帝国領空に過去確認された事のなかった虹のカーテン・オーロラが発生した日から数日後の事である。

魔神達は突如として皇城内に現れ、破壊の限りを尽くし皇女の一人を攫っていった。鍛え抜かれた皇城兵の力であれば魔神の討伐は容易いものの、黒き渦より無限に押し寄せる軍勢を止めることが出来ず、消耗戦を強いられていた。それはアルフレイム大陸では一般的とも云える奈落の魔域シャロウアビスが要因であったが、テラスティアでの発生例は殆ど存在していなかったため"核の破壊"という対処法そのものを知る者がいなかったのだ。

そこに颯爽と現れ、単身魔域に突入し見事皇女を連れ帰った男がいた。彼の名はアインフォース。双剣を振るい騎獣を活かした高速戦闘を得意とする流れの冒険者である。


アインはアルフレイム大陸生まれの農民であった。幼少期より体格に恵まれた彼は常日頃から人助けを信条とし、目の前に守れる命があれば見返りを求めず行動する根本からの善人である。そんな男が冒険者にならないはずもなく、日々依頼をこなしては行く先々で更なる困りごとを探し無償で奉仕する人間であった。ギルドへの関与が薄かったため存在としては放浪者にあたるだろう。

ある時とある港町にてテラスティアでのオーロラ目撃情報を聞きつけたアインは魔域が大陸外に拡張しつつあることを察知する。居ても立ってもいられず単身テラスティアへ渡ると、そこには彼の予想通り魔域への対処法が分からず苦しむ民達の姿があった。以降、現地人に魔域対応のすべを伝えるためテラスティア中を旅していく。高台に構えオーロラを見つけては現地に急行していたが、多くは小さな村や自然の中での出来事のため無名の存在であり、報酬を要求する事もなく自らの人生を賭けて他人に奉仕する生き方は称賛されども共感される事は無く、彼は常に単独で行動していた。今回の事件についても帝国城上にオーロラが発生しているという情報を聞きつけ急いで来訪したところ、城内で騒ぎが起きていたため飛び込んでいったのである。


皇城内に魔神の侵入を許すという大失態は国家の威厳を損なう為隠蔽されたが、アインが国家に多大な寄与をした事実は認められ一躍帝国の有名人となった。皇女を救出した彼は皇帝に気に入られ、客将としてアイヤールに滞在することとなる。

魔域への対処方法や事前対策を兵士に伝授するためであったが、一番は救出された皇女ターフェアイトの願いであった。彼女の願いは最初こそ絶望の中から助け出された恩を返したいというものであったが、文字通り囲われた中での生活を余儀なくされていたターフェにとってアインの語る世界中の農村や別大陸の話はとても新鮮であり、毎日の他愛無い雑談が楽しみになっていく程であった。一方のアインも、今まで誰にも理解されなかった自らの奉仕活動が皇族という支配層から称賛を受け、今後の政策への参考にしたい、民目線の意見は貴重だと感謝と共感の言葉を受けていくことで次第に人生初の感情をもっていく。いつしか二人はお互いを魅力的に感じ始め、それは物語の結末のように、救国の勇者はその国の姫と結ばれることになった。


問題はここからである。底なしの善人であるアインフォースはおおよそ貴族には向いていない性格であった。酒場に行っては市民達の声を聴き、貧困層には無償で全てを提供する。旅に出ると月単位で帰還せず、ふとした拍子に戻ってきては辺境への支援を要請する。金貸しには持ち前の強さで依頼をこなして恩を売り、一獲千金を目指しギャンブルに手を出しては無一文。そしてまた金貸しに無償で働かされる始末。そんな人間が皇女の一人と結婚したのだから皇族貴族は大混乱である。

そしてここは異文化入り混じるアイヤール帝国。民達の貧富の差は大きく問題は山積みであり、都合良く公営カジノが存在する国である。目の前の惨状を見逃すことが出来ず、彼は結婚後も人を救う事をやめなかった。

それは国民にとっては何よりも喜ばしい事であったが、余所からすれば本来はターフェへ向けるべき愛情を全ての人に向けているようにも映っていた。皇帝こそ2人を祝福していたが、国の資産に手を出してでも一つの村を救い、時には皇女の命を危険に晒す事もあった彼の行動は他の皇族から強い反感を買い、最終的には離別させられる事となる。


それでもなおアインフォースは人を救う事をやめない。ターフェの事は変わらず愛してはいたが、元よりひとところに留まれる性格ではなかったと納得し出ていくことを決意する。しかしターフェもまた、底なしの善人勇者を愛していた。彼女が恋したのは自らに甘い言葉を囁く有象無象などではなく、民の為世界の為に行動する真の勇者の姿である。公務の合間を抜け出してはアインに会いに行き、金策に苦しむ彼に国へ献上された貴重品を贈呈する。彼女の献身的な行動は今まで自らが他者にしてきた事。自覚したアインはより一層ターフェを愛するようになり、アイヤール帝国に留まる事となる。こうして2人は婚姻生活時よりものびやかに、幸せの時を過ごしていく。


ターフェは国民・皇族を欺いてアインとの婚姻生活を続けていた…と本人は思っているが、著名たる勇者と皇女の行動を隠し通せるはずもなく、むしろ国民達の与太話の中心となっていた。国民人気の高い2人は民からも影で応援され、それを咎めて不評を買いたくない皇族達も彼女の行動を看過し、皇帝は以前より多彩で美しい表情を見せる娘をにこやかに見守っていた。

そんな生活はしばらく続いたが、ターフェが子を身籠ると流石の皇帝も彼女の脱走を看過できなくなる。次々期皇帝候補たる存在を野に放つ訳にはいかず厳重な設備の元で生活することを提案したが彼女は頷かない。彼女は自らと同じ籠の中の鳥ではなく、自由に翼を羽ばたかす人生を送らせたかったのだ。

「私の娘は、彼の子で居させてください!どうか、彼の人生を見せてあげて!」

自らの人生を引き合いに訴える彼女。跡取候補も他に存在していたため皇帝は願いを聞き届け、ターフェは他の貴族や国民には秘密となる女の子を出産した。


蒼緑の瞳に紫の髪を持つ彼女はアメジスト=ターコイズと名付けられた。姓を持たぬ父と皇女の母の姓を使うことが出来ず、アルフレイム大陸出身の召使の名を借りることで、皇族ではなく庶民として皇城にて幼少期を過ごすことになった。

帝国の高度な教育を受けたことで魔導の才が目覚め、彼女は妖精と意思疎通が可能なほどの潜在能力を開花させる。また武術を学び始めると「父と同じ騎手になりたい」と母にねだり、ウォーホースを購入し毎日のように訓練を行っていた。始まりの0、良い事の証○を合わせゼロ丸と名付けられたウォーホースは今後彼女の良き相棒となっていく。彼女はゼロ丸のブラッシングをしながら母から"父の英雄譚"を聞く時間が何よりも好きだった。

やがて成長したアメジストは少しずつ父の旅に同行し始める。皇城の豊かな生活とは違い困窮した状況でも四苦八苦しながら人助けする勇者との生活は、困難を極めたが素晴らしい経験となった。無償で人助けする姿を見て尊敬し、ギャンブルに大負けする姿を見て頭を抱え、鮮やかに魔物を葬る姿に感動し、愛する妻に惚気る姿を見て呆れかえる。立場上長い時間を過ごす事は難しかったが、民に愛される両親は彼女の誇りそのものであった。

皇城に出入りする姿を見られ皇族に近しい者として盗賊に付け狙われる事もあったが、父の強さをも受け継いだ彼女にとって障害にはならなかった。帝国の誇る魔導の才と冒険者さながらの戦闘特技を携えた彼女は、当初より周囲の危惧していた展開になることもなく、真っ直ぐな心を持つ成人になっていった。


器量も良く才能に恵まれたアメジストは(主に立場を知る者達から)国政での活動を求められたが、帝位継承争いに巻き込まれる事を案じた母から「他の皇族に関わらない」事を強く望まれたため、彼女は自らの立場を理解しつつ父と同じ冒険者として生きる道を目指し始める。それは危険の伴う進路であったが、自分達の思いを継ぐ決断に対し両親は快く受け入れ、全力で援助する事を約束してくれた。

父と共に国中を巡り歩いていた縁で国内の冒険者ギルド"水明の三日月"にて活動し始めた彼女は、着実に仕事をこなし受注者への細やかな気配りが出来る、そして時折思いがけない発言で周囲を和ましてくれるギルドの看板娘として有名になる。依頼の内容は様々であったが、破天荒な両親のおかげで若くして多くの経験を積んだ彼女は何事にも手ぎわよく対応することが出来た。特に討伐系の依頼では攻撃も援護も出来るため各所で重宝され、髪色を取り"紫陽花"の二つ名で愛される存在となっていった。

だが有能さが裏目になり、目立ち過ぎたが故に民達に素性を隠し通せなくなってしまう。皇女に似た雰囲気の娘が元夫の傍にいたため元々噂話は多かったが、拠点をもち接触を多くしてしまうと事が大きくなるのは必然とも言えた。彼女はギルドメンバーに惜しまれつつ、"水明の三日月"を後にするのであった。


帝国の影響下にある地域ではどうしても問題が起きてしまう、そこで父は自らの故郷アルフレイム大陸への旅を提案する。丁度この時、コルガナ地方にて"大浸食"が発生したという情報が伝えられ、渡航に関する注意喚起が行われている状況であった。

両親と会う事は容易ではなくなるが、"祝福と呪いの地"と称される大陸にて父が何故人助けに重きを置くようになったのか、どのような脅威が存在しているのかを知りたいと考えた彼女は提案を受け入れ、愛馬と共に海へ旅立つ決意をする。自らの力量が魔神に通じるかは不安であったが、今まさに"大浸食"で苦しみ続けている民を救うべく、コルガナ地方へ向かう航路を模索し始めるのであった。


父の背中を追い、母からの教養を得た彼女は、救人の意思と戦士の素質を併せ持ち、名もなき英雄の夢を見る。人々を守る高潔な騎士を目指し、新天地にて冒険者人生を始めるのであった。

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