第32話 陰陽師は銀の弾丸に力を込める
スケルトン出現場所の配信が始まる前にデータを
会いたいというので喫茶店を指定。
ほどなくして
「ネタがガセだったら、ただじゃおかないぞ」
「
「俺としては別に良いんだけど、何となく俺を狙ってきているような気がするんだよ。だから巻き込まれる人がでると胸が痛む」
「相手に心当たりは?」
「分からないけど、唯一の因縁と言えば邪神だろう」
「相手は神なのか。国家レベルの敵だな」
「前々から気になっていたんだけど、この国の霊能力者って実力はどれぐらい?」
「悔しいが大したものではない。鬼レベルが出ると凄腕の霊能力者が10人は必要だろう。名付きの鬼だと100人は要る」
「その辺の悪霊だと1対1でも厳しいレベルか?」
「その通りだ」
あー、そんな気はしてたんだ。
だって、魔術やそういう力は衰退の一歩を辿っている気がする。
昔話では海を割っただの色々と逸話がある。
妖だって山や湖を作っただいだらぼっちみたいな存在がいた。
都市伝説では怖さは増したが、規模は縮小している。
悪霊の伝説もだ。
昔より小規模だ。
たぶん、霊能力に関係する全般が弱まっているのだろう。
今回のスケルトンの件が邪神の手のものだとすると、邪神も弱体化しているな。
スケルトンはモンスターでは下級もいいところだ。
「重ねて聞くが、情報に間違いはないんだな」
「刑事さん、俺の術を疑うのか」
「疑っているぞ。胡散臭い匂いがぷんぷんする。お前のは霊能力じゃないだろう」
「へぇ、分かるんだ」
「刑事の勘を馬鹿にするな」
「じゃあ、俺が本当のことを言っているのも分かるよな」
「悔しいがな。だが、うさん臭さが抜けない」
「霊能力者の占い能力はどう? 俺の情報の裏付けぐらいできるだろ」
「黒い霧に阻まれて見えないのだ」
役に立たない奴らだな。
奥義書や秘伝書を出せと脅してみようか。
いや、敵対してどうする。
警察は味方につけたい。
「分かった。銀の弾丸を作ってくれ。俺が術を掛ける。銀の弾丸でも、威力は鉛とそう変わらないだろう。術が通用しなくても、被害が増えることはないはずだ」
「それが予算が。ネクターポーションを買うだけで、精いっぱいなのだ」
「分かった。金は工面してやる。1時間で弾丸を用意しろ」
父さんと事務所に電話して今までの利益の金を集めた。
1時間で銀の弾丸数百発が目の前に持ってこられた。
「カタログスペック100%」
銀の弾丸の逸話を元にスキルを掛ける。
弾丸は光に包まれた。
「相変わらず霊力は感じられないな。だが神聖な気は感じる。不思議だ」
「弾丸が有効だった時はお金は払ってもらうからな」
「もちろん」
二人と別れたので、配信サイトを見る。
スケルトン出現場所予想の動画が配信されていた。
コメント欄を見てみる。
『どうせ嘘だろ』
『そうだな。そして何もなかったら、災害は俺の力で防いだとでもいうはずだ』
『私はふびと様を信じます』
『一緒にいる女の子可愛い』
『どうせ事務所の後輩だろう』
動画の説明書きに、
『やっぱりな。後輩だったか』
『可愛い子は歓迎』
『俺、その日は外に出ない』
『ぷぷっw信じてやがるw』
『俺は撮影に行く。配信に命かけているからな』
信じている意見は少ない。
まあそんなもんだよな。
俺だって芸能人が予言しますとか言い出したら信じない。
しかも、出現場所が俺の住んでいる街付近限定だからな。
前の出現場所は散らばっていた。
この付近に俺が住んでいるという情報はネットに上がっているから、それでこの場所を予言したと思われても仕方ない。
ダウジングを使って小判でも探し出す動画を配信しても、やらせだと言われそうだ。
説得力を持たせるには地道な活動が一番なのだろう。
俺は配信の説明書きに、予想が外れたら、抽選で1名様に100万円あげると書いた。
『100万円だと!嘘だ!』
『いや宝くじ動画でも、損失100万円はめずらしくないだろう』
『外れる未来が俺には見える』
『うんうん、はずれと思う』
コメントが加速していく。
信じては貰えないが、ネタのひとつにはなったようだ。
思い切って1億円とでも書けば良かったかな。
信じてないようだが、あとで吠え面かくなよ。
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