BIG3~最強の三大ギルドが神ゲーに挑むようです~

ゆめみじ18

第1章・西暦2037年4月1日

第1話「ギルド『BIG3』」

 少年、信条戦空しんじょうせんくうにとって大好きな言葉がある。

「テキトウでいいんだよテキトウで~、それがベストだ!」

 だから彼は力んだ拳と肩の力を抜いて、テキトウに生きることを決めた。


 子供の頃、よく遊んだものがある。いや、今もだろうか、それはヒーローだったり、英雄だったり、勇者だったり。時には魔王も遊んだ。悪手とか言われたけど気にしない。そこには、機械では作り出せない、手作業でようやく手に入る、ナニカが確かにあったのだ……。

 

 仮想世界、世界樹クロニクル。どこかの掲示板……。

【あと、こんな噂を知ってるかい?】

【何々どんな噂?】

【最強ギルド『四重奏しじゅうそう』と、大人数ギルド『放課後ほうかごクラブ』と、大人達のギルド『非理法権天ひりほうけんてん』のトップ3人がタッグを組んで冒険するんだって!】

【名前はギルド『BIG3ビッグスリー』だって!】

【じゃあ、とりあえずそいつらのゲームプレイを見てみようぜぇ~。】

 眩い光と共に広い空間に場面は移る。戦闘可能エリア、現在目の前にはドラゴンが居て、クエストまっただ中。そんな中、BIG3プラス1人の少女は揉めていた……。そこにいるのは……。


 四重奏の信条戦空しんじょうせんくう。放課後クラブの天上院咲てんじょういんさき。非理法権天の湘南桃花しょうなんももかだ。


「だから! ゲームに恋愛れんあいを持ち込むんじゃねーって言ってるだろ! 戦いにならねーじゃねーか! 戦術に恋愛は不要! むしろ害悪!!」

「しょうがないでしょ! 恋愛ゲームやった後に百合百合・・・・になっちゃったんだから!? 私が何したってんだ! 私は! 被害者・・・なんだよォオおおお――!?」

「はーやれやれ、VRMMOに恋愛を持ち込むのは間違っているのだろうか? 永遠に解けない難解なテーマね~……あ、魔法の・・・宿題をしよっと」


 中学2年生の男子が「戦闘が出来ねえ!?」と戦闘狂・・・が雄叫びをあげ。

 百合百合している歴史の先生が吸血鬼生徒との禁断の愛・・・・を育み。

 魔法科学高校・・・・・・、1年生の女子はゲームじゃなくて宿題を始めている……。

「なあ! 話にならねえし! 戦闘にならねえし! 誰だよギルド組もうって言ったバカは!?」

「はぁ~?! バカって言う方が馬韓なんだよ~知らないの~お馬鹿さんねえ~?」

「桃花先生大好き~~~~!! 隙あらばイチャつきたい!!」

「私は悪くねえぇええええ!?!?」


 ダメだこのギルド、始まる前から終わってる……。

 と、閲覧出来る距離にいた。新米プレイヤー達は名だたる有名人を見ようと押しかけて来たのだが。どうやら戦闘どころでは無いようだった。

 ドラゴンが置いてきぼりだったので「グゴアー!」と大顎を空けて噛み付き攻撃をしようとしたが……。

「「「邪魔!!!!」」」

 ドゴン! と、3人は1撃でどのドラゴンをノックアウトするのだった。

「どうやら決着はつかないようね!」

「なら取り分はどうすんだよ?」

「じゃあさ! 〈心氣しんき〉が強い人が総取りでどう!?」


 ――瞬間、3人の〈心氣〉のぶつかり合いが起こった。

 ――ドゴオ!?


 人は吹き飛び、動物達は逃げ、ドラゴン達も逃げるその覇気。

 並々ならぬ実力者である事を知り、彼らは立っていられない……。

 バシュン! ……と、爆風が吹き荒れた……。

「ふう、またドローか」

「しょうがないよジャンル違い何だもん」

「カテゴリエラーとも言う」

 互角、3人の実力は完全に拮抗しているようだった。

 ギルド『BIG3』、男1+女1+女1=、合計で3にも4にもなる!

 と思っていたが、我が強すぎて×0に成りそうな勢いだった……。

「これからどうするの?」

 と、桃花先生の愛人? 花奏緋依かなでひよりちゃんが言うと。

「帰りたい!」「戦闘!」「作戦会議!」

『……』

「帰りたい!!」「戦闘!!」「作戦会議!!」

 事態は、平行線を辿ったままだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

BIG3~最強の三大ギルドが神ゲーに挑むようです~ ゆめみじ18 @hanadanngo

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ