第71話 ダンジョンの封鎖解除と慣らし(2)
いつも通りに家のことを片付けた昼過ぎ、改めてダンジョンへと向かう。
右手にはいつものメイス、左手には新たに借りた小ぶりなメイスを持っている。盾については、ひとまず背負ったリュックに括り付ける形だ。
ダンジョンに入ると、まずは第1階層の脇道にある大部屋へと向かう。新しいメイスと盾の使用感の確認のためだ。
ダンジョン突入時と同じく、両手にメイスを装備した状態で大部屋へ侵入したが、予想通りというかなんというか、普通にあっさりと全滅させることができた。
まあ、特殊警棒を使った二刀流は既に試していたので、これは想定通りと言えるだろう。特殊警棒からダンジョン産のメイスに持ち替えたことでせん滅速度も上がっているし、戦闘時のメイスの取り回しについてもまったく問題ない。
モンスターのいなくなった部屋で少し休息してから第2階層へと移動し、コボルトがいる小部屋へと向かう。
次は左腕の前腕部にラウンドシールドを装備して、盾の使用感についても確認するつもりだ。二刀流で攻撃しつつ、危険な攻撃は盾で受ける。うまくいけば、ダンジョン攻略がより楽になるだろう。
「まあ、そう簡単にはいかないか……」
コボルトとインプをせん滅した小部屋の中でそうこぼす。
残念ながら、盾を利用した戦闘はうまくいかなかった。あるいは使い方が悪かったのかもしれないが、少なくとも俺にはメイスの二刀流を使いながら腕の盾をうまく使うのは無理だ。どう考えても、わざわざ腕の盾で受け止めるよりもメイスで受け流すほうがやりやすい。
やはり、最初のころから金属バットやメイスで受け流すというのをやってきたから、新しく装備した盾をすぐに活かすのは難しいのだろう。
まあ、これについてはゆっくりと慣れていくしかない。
そもそも、ダンジョンに潜りだしてからまだ2、3ヶ月しか経っていないのだ。メイスを使いだしたのは始めてから1ヶ月以上経ってからだし、二刀流に関してはさらに短い。それを考えれば、盾の扱いについてもいずれ慣れるだろう。
「それに、集団相手じゃなくて1対1の戦闘であれば十分盾も活かせそうだしな」
実際、モンスターの数が減ってからは右手にメイス、左手に盾というスタイルで戦闘を行ったのだが、こちらであればそこそこ様になっていたように思う。
この部屋にいたコボルトやインプ程度ではあまり効果を感じられなかったが、より強力な攻撃を仕掛けてくるような敵、ストーンゴーレムみたいな相手であれば十分に盾を活用できるのではないかと思う。
ただ、このスタイルでいく場合、相手が集団になるとどうしても受け身になりやすい。なので、相手によって戦闘スタイルを切り替えていく必要がありそうではあるが。
「さて、帰るか」
先ほどまでの戦闘の振り返りを終え、戦闘中に手放していたメイスを回収しに向かう。
せん滅速度が上がった影響で、時間としてはまだ余裕がありそうなのだが、久しぶりのダンジョンだ。今日は早めに帰ってもいいだろう。
そんなことを考え、新装備の慣らしを終えてダンジョンを後にする。
ちなみに、探索者支援の評価は当然のごとく最低報酬となる評価1だった。
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