第7話、幼い勇気と悪魔の契約
それは、幼い頃の
俺には当時、とても仲の良い
「ねえ、シドー。
「うん、良いよ。大人になったら
そんな事を、
そして、それは子安も同じだったのだろう。互いに
だから、これは幼くても本気の
そんな俺達の気持ちを
俺が覚えているのは、事故の直前に子安を
そう、死にかけたではなく死んだんだ。本当の意味で、俺は一度死んだ。
ただ、あの時イレギュラーが
……
「俺は、死んだのか?」
「ああ、死んだな。だが、まだ
「……誰?」
振り返ると
だが、それは
まるで、
「俺の名はベリアル。しがない
「悪魔……」
「お前には今二つの
「俺は、生き返る事が出来るのか?」
「ああ、ただしタダで生き返らせる訳じゃない。もちろん
「対価?」
確か、契約の対価に魂を
「俺の魂を持っていくつもり?」
「いや、お前の魂は要らない。ただ、そうだな。一つ
「賭け?」
「ああ、賭けだ。今回お前を生き返らせる対価にお前の
「……うん」
「もちろん、お前が庇ったあの少女の記憶も
俺はきっと、この時警戒していたのだろう。だから、この時こんな事を言ったんだと思う。
「勝利を認めて、どうするつもり?」
「ふふっ、警戒心が高いのはよろしい。そうだ、今お前は悪魔と
「……何が楽しいんだよ。からかうだけだったら
「そう
「力を?」
俺の言葉に、ベリアルと
楽しそうに笑いながら、実際楽しげに笑いながら。俺に
地獄の契約書に
「そうだ、お前に力をくれてやる。実はここだけの
「神様が?どうして俺を?」
「お前達が信仰するような
「……そんな存在が、どうして?」
「自分の
「……………………」
「もし、この手を取るならお前に力を
そう言って、手を差し伸べた彼は到底崇高とは呼べない存在だったけど。
どうしてだろうか?この時俺はそいつの言葉を信じられると思えていた。いや、それだけではない。きっと、俺はこの時子安の事を
悪魔は大切な仲間を、
そう、感じたから……
「……分かった、お前との賭けに応じよう。けど、忘れるなよ?必ず俺が
勝って、必ず全てを取り戻す。そう、悪魔に
その宣言に、悪魔は
「そうだ、それで良い」
そうして、俺はこの日全てを失って
その後、身寄りを失った俺は生前仲が良かった教会のシスターに
それが、俺の
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