第1話、反逆者の少女と怒りの化身
異世界に
俺も幼馴染の二人も、そんな日々に疑問すら
信仰を広め、広め、広め。背教者を滅ぼし、滅ぼし、滅ぼした。その先に待っているものが一体何なのかすら考える事もせず、俺達は
そして、そんなある日のこと。俺は一人の少女と
その少女は背教者として
すぐに俺が
「……ねえ、貴方は本当にそれで
「…………私は神の
「……ごめんね、辛かったよね。今すぐ
俺は、神の使徒として少女に剣を
食い、込み……
「…………?」
何故か、俺は少女に剣を振り下ろせなかった。振り下ろそうとする剣を、俺は必死に
そんな俺を前に、少女は俺の
「ごめんなさい、
そうして、少女はおもむろに俺の顔に自身の顔を近付けて……
「…………っ⁉」
「んっ……」
俺は、少女にキスをされていた。
手に持っていた剣が、からんと音を立てて
少女のキスにより、俺の内にある神の
少女が俺の口をついばむ音が、俺の耳に届く。それが、俺の
そのまま、俺の意識を
「ごめんなさい、貴方を此処まで
最後に、そんな声が
・・・ ・・・ ・・・
そう、
むしろ、その瞳はこらえ切れない
「よう、ずいぶんとまあ神に弄ばれたようだな?」
「……お前は、誰だ?」
「俺の名はサタン。憤怒の
悪魔、彼は自身の事を悪魔と
サタンとは、神の
ああ、そうだ。今俺は怒っているのだろう。神に弄ばれた、神に全てを
大切なものを奪われたと、俺は怒っているんだ。
「……そうだ、お前は今怒っている。自分達を弄んだ、自分達から全てを
「…………お前は、俺にどうして欲しいんだ?俺に怒りを
「何も?俺はただ、お前がその怒りをどう
「怒り……?」
「そう、お前は今怒っている。その極限の怒りをお前はどう
「……………………」
「さあ、お前はその怒りをどう扱う?」
憤怒の悪魔は、俺に手を差し
俺は、そんな憤怒の魔人を前にその手を
「俺は、神に全てを奪われた。だったら全てを取り返すだけだ」
「そうか、だがお前はまだ
「なら、俺は手を伸ばす。何処までも、全てを取り戻す為に突き
「良いだろう、ならばお前は俺の
瞬間、俺の中にサタンは
怒りは行き過ぎれば全てを破壊する。そういう事なのだろう。
「なら、俺はその怒りを
俺は、此処に一つ
・・・ ・・・ ・・・
其処は、神殿のベッドの上だった。どうやら俺は神殿に運び込まれて
オトメは神の使徒としての衣服を身に
「……オトメ、か」
「……目を覚ましたか。なら、私は背教者の
そう言って、立ち去ろうとするオトメ。その背中に、俺は声を掛ける。
「なあ、俺達は本当に
「……何が言いたい?」
「別に。ただ、お前の
「……私はただ、神の
「そうか、すまない……」
「では、私は行くぞ」
そう言って、今度こそオトメは去っていった。その
オトメの去った部屋で、俺は一人溜息を
「……俺は、オトメの事が好きだったんだ」
そう、オトメの事が好きだった。だったんだ。
オトメのさりげない
全ては今となっては
「今のオトメは、
俺は、心から
ああ、だからこそ俺は全てを取り戻す。奪われたものは取り返さねばなるまい。
神を殺す。
その為ならば、俺は全ての
「だが、その為にはまずやらなければならない事があるよな」
俺を神の支配から
彼女と会って、彼女の
そう思い、俺はそっとベッドから
ベッドの
俺はその剣を
この剣は、俺自身の
そして、今まで俺が背負ってきた罪の
「もう、俺は神になんて
そう、俺は俺だ。俺は自分自身として、
その意思を以って、俺は部屋を飛び出した。
向かうべきはオトメの向かった先。その先にきっと、彼女は居る筈だ。
そう
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