口を閉じて

キャンドルが揺れる微風に

立ち直る月の明かりのように

名前のいらない価値観で

抗おうとするのだ どっち付かず


カタカタと登る足音

醒めない夢ならば嬉しいけど


肩の力を抜く時に

雨が強く降り注いで

まるで僕が悪いように

幾度も幾度も洗い流す

びしょ濡れになった空の下で

小言だけを呟いた

それって誰かに吸い込まれるのかなぁ


重力に抗おうとして

この世の神様と戦おうとして

翼をもがれていたとして

それでも人は何故か飛ぼうとして


知らぬ間に巡り合わせた

とりあえず偶然と呼ぶけれど


知らないふりをさせながら

僕等は自分を強く語って

顔色を伺いながら

嘘をつく事で逃れている

半端な声が聞こえてきて

耳を貸すつもりもなくて

それって誰かを突き飛ばしているのかなぁ


肩の力を抜く時に

かたく縛った口が裂けて

まるで僕が悪いように

幾度も幾度も流れていく

びしょ濡れになった地面の上

小言だけが形を保って

紫陽花を映す水たまり

嘘をつく声が逃げていく

あっという間に言えないこと

汚れたとしても掬い上げた

それって僕の心に

吸い込まれるのかなぁ

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