あいららぶ

発明王が僕らをちょろまかして

勝手な方式が宙に浮かんだ

誰も振り向いてはくれない

大気に触れるだけ錆びしくて


怒らずに聴いていたら

あまつさえ解くだなんて

貞淑な君が言うんだもんなぁ

棘のない声を探して

毒のない音を見つけて

「やめたほうがいい」って言おうか


身近なピニャータの笑い声

きめ細かい余韻が波打って

あげるものはないんだけど

恥が弾ける前に始めようと


地底の洞窟だって

オーロラの色彩だって

知るべきことってある気がするけど

君が知りたいことって

君が触りたいものって

言葉にするには難しいものばかり


置いてけぼりにならない

目印に添えられて

例えば

あぁ、なんだかなぁ


優しい発明王が遺した

世界基準のような方式は

神様にとっては不都合で

姿を隠してしまった

言うのも恥ずかしくなった

言葉にするには難しいばかり


怒らずに聴いていたら

あまつさえ解くだなんて

胸を張って君が言うから驚いた

でも

いつからか知れてしまった

いつからか忘れてしまった

「やめないように」と願った

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る