朝の立場

日差しの香りと枕の音符が

カーテンレールに挟まっている

助けようにも助けられないし

創意工夫も眠りに拉致されている

優しい見向きも無様に下手で

とりあえず灯りを確認したら

一件の通知がスマホを赤く染める

テレビと参考書が文句を言えば

すかさずゲームが諭す

そんな茶化しも

あぁ、朝ってやつは僕に期待させる

あぁ、朝ってやつは僕を不快にする

あぁ、朝ってやつは僕の心躍らせる


観葉植物と見つめ合いながら

冷蔵庫の中を物色するとき

気ままなカラスが一羽泣いて

昨日の夜に浮かんだ詩を思い出す

戦争が吹き飛ぶフレーズと

手を取り合う赤ん坊のような

イノセンスの含まれたもの

腰に手を当てて

牛乳が喉を更新する

あぁ、朝ってやつは僕に遊ばせて

あぁ、朝ってやつは僕を白くさせ

あぁ、朝ってやつは僕の薫らせて


鬱病に罹ったシャワーヘッドに

気構えのない挨拶を済ませる

玄関に置かれた段ボールからは

催促という名の悪戯が聞こえる

「窮屈そうにしているのは僕の方だった」

「明日まで休みなの?」

「脚を組むみたいな歪さだよ」

「明日まで夢を見て」

あぁ、朝ってやつは僕に期待させる

あぁ、朝ってやつは僕を不快にする

あぁ、朝ってやつは僕の心躍らせる

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