フローリング・ノート

欠伸の出る冬の朝は

聴こえる静かな君の寝息

都忘れフローリングにひらり舞い落ちる


モノクロの世界にうつつを抜かしている

窓から木漏れ日が射す

スキーの板だけが壁に寄り掛かる

気怠く並んで


撫でるように輪郭なぞって

光と影に邪魔をされて

気付くように向こうへ寝返る

君の背中

あと少ししたら起こす準備を

突いてなぞって


セットリストで作られた

アラームよりも少し早く

君の肩をゆすって起こすことが幸せ


心なしか声にハリがないようだね

くしゃくしゃの髪のまま

自分の枕しか上手く寝れない

一つ確かなことを


記憶の傘 アルバムを避けて

無様に優しく溢れていく

携帯が曲を歌い出す

去年のポップス

鼻唄で喉を軽く開いていく

僕もつられて


モノクロの世界にうつつを抜かしてた

反動のせいなのかも

好きの数だけが互いに寄り掛かる

気怠く並んで


撫でるように輪郭なぞって

光と影に邪魔をされて

気付くように君は振り向いた

白い眼差し

あと少ししたら朝御飯を食べよう

風に打たれて

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