第二章闇の中へ③

[〈冒険者〉たちは村人たちに聞いた通りの道を進み、何事もなく洞窟の前に到着した]


 トラッド――[苦笑]して、

「はやっ!(笑い)」


 ニオ――[ニヤリ]として、

「いつものことじゃん♪」


 リメア――[苦笑]を浮かべて、

「森の中で遭遇するっていうのも考えてたんですけどねぇ」


 フェレス――[フッ]と笑い、

「あれだけ洞窟を強調していたのだ。

 おそらく、洞窟に何かあるのだろう」


 トラッド――[ニヤリ]と笑い、

「じゃ、うわさの洞窟にいこうぜ!」


[洞窟の中に入りますか? 「はい」/「いいえ」]


 『トラッド』は、「はい」を入力する。


[冒険者たちが洞窟の中に入ろうとすると、

 入り口に、モンスターの足跡らしきものがあるのを発見する。]


 トラッド――[ニヤリ]として、

「おっ?」


[しかし、パーティの誰もモンスターを知らなかったので、

 見ても何の足跡なのか分からない!]


 ニオ――[苦笑]して、

「あらら~~(笑)」


 フェレス――[普通]の顔に戻って、

「こんなことなら、何としてでも成功しておくのだったな」


 リメア――[苦笑]を浮かべ、

「こういうこともありますよ」


 トラッド――[ニヤリ]として、

「いや、まったくw」


[洞窟の中での隊列を決めよ!

 ①トラッド ②フェレス ③ニオ ④リメア]


 トラッド――[ニヤリ]としたままで、

「おっと、“進行隊列”を決めなきゃな」


 リメア――[普通]の顔で、

「“進行隊列”って何です?」


 フェレス――“クール”に、

「ダンジョンの中を進む時に、

 どんな順番で歩くのかという順番のことだ。

 ちなみに、戦闘時に組む“隊列”は、

 “戦闘隊列”と特に呼ばれることもある。

 一般的に、隊列と言うと

 “戦闘隊列”のことを指すことが多いがな」


 ニオ――[ニッコリ]と微笑み、

「先頭と最後尾を〈戦士〉で固めて、

 中央に僕とリメアが入ればいいんじゃないかなぁ~~?」 


 トラッド――[ニッコリ]と笑い、

「そうだな。先頭がオレで、次がニオ、

 その次がリメアで、最後にフェレスでどうだ?」


 フェレス――“クール”に、

「いいだろう」


 リメア――[ニッコリ]として、

「ええ」


 ニオ――[ニッコリ]としたままで、

「いいよ~~」


 トラッド――[ニッコリ]顔で、

「よし!」


[>一番目 ①トラッド 二番目 ②ニオ 三番目 ③リメア 四番目 ④フェレス]


 『トラッド』のコントローラーからの入力を受け、シナリオが進む。


[〈冒険者〉たちは、洞窟の中を歩き始めた]


 画面の表示が、3D表示の洞窟のグラフィックに変わる。ダンジョンの分岐があるまでは自動的に進んで行くので、特にコントローラーの方向キーを押している必要はないのだが、プレイヤーの誰ひとりとして、コントローラーから手を離してはいないだろう。


 それは、


[“敏捷判定”!

 トラッドが対象!

 五秒以内に、『意志力・身体』を選べ!]


(オレに来たかっ!)


 『トラッド』は、“判定”の合図のチャイムとコントローラーの振動で、自分が対象であることを知り、手札を確認する。


(《不屈の闘志 1Lv》

 《メジャーヒーリング SP》

 《全体攻撃 3Lv》

 《全力攻撃 2Lv》

 『意志力・身体』

 ……あった!)


[成功!  トラッドは、前方から飛んで来た矢をかわした!]


 ニオ――[驚いた]顔で、

「おお~っ(拍手)」


 リメア――[ニッコリ]と笑って、

「やりましたねっ!」


 トラッド――[苦笑]を浮かべ、

「ようやく、まともに成功した気がするなあw」


 ニオ――[ニヤリ]と笑って、

「これからは、ガンガンいこ~~」


 フェレス――“クール”に、

「何か、妙だな」


 リメア――[不思議そうな]顔で、

「何がです?」


 フェレス――“クール”に、

「矢が飛んで来たということは、

 仕掛けた人間がいるということだ。しかし、」


 トラッド――[普通]の顔に戻って、

「ミノタウロスがこの洞窟に

 出入りしているというなら、

 こんな仕掛けがあるのは

 確かに不自然だな」


 リメア――[普通]の顔に戻って、

「村人の誰かが仕掛けてから、

 ミノタウロスが外に出ていないのでは?」


 フェレス――“クール”に、

「村人は洞窟の中にまでは

 入っていないはずだがな」


 ニオ――[普通]の顔に戻って、

「まっ、まさか……」


 トラッド――[普通]の顔のままで、

「まさか?」


 ニオ――[普通]の顔のままで、おもむろに、

「……ミノタウロスが仕掛けたんじゃ……」


 トラッド――[ニヤリ]として、

「んなわけあるかぁーーっ!(爆笑)」


(オレも言おうかと思ってたのにーー!)


 おいしいところを取られて、『トラッド』はモニターの前で爆笑しつつ悔しがっていた。


 リメア――[苦笑]して、

「そんなこと、あるわけないでしょ?」


 フェレス――“クール”に、

「ミノタウロスがそんなに

 器用だとは知らなかったな」


 ニオ――[苦笑]を浮かべて、

「冗談だよ! まあ、気をつけて

 進もうってことだね~~」


 トラッド――[苦笑]を浮かべ、

「そうだなw」


 そして一行はまた、洞窟の中を進み始めたのだった。

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