ふわり

@uchidacco

第1話

「最後にこの部屋に男が来たのっていつだっけ...」

日曜日の夕方、夏子はシーツを取り替えながらふと思った。

「2年前に岩田くんの結婚祝いをうちでやったな。いやいや、岩田くんは友達だし、あの時は紗香もいたからノーカウントか。正確には啓太と付き合ってた頃だ。もう3年前か。」

夏子がこの部屋に住み始めて、2人の男と付き合ったがどちらも長続きせず、どちらにも振られた。それも理由が同じで「夏子は俺がいなくても生きていけるでしょ」とのことだ。

夏子はちゃんとしている。洗濯物は溜めないし、自炊もする。部屋の掃除はフロアワイパーを毎朝行い、細かいところは土曜日の朝に掃除する。

「だいたい俺がいなくてもってなんだよ。しっかりしてるところが良いって近づいてきたくせに。」

夏子は夕飯、入浴、ストレッチと一日のやることを終え、布団に寝転びながらぶつぶつと独り言を始めた。

「あーあ、恋愛って本当にめんどくさい。でもな〜、もう29歳だからな〜ちゃんとしなくちゃな〜」

夏子の周りは、絶賛第二次結婚ピーク兼、第一次出産ピークにある。さらに言えば後輩の第一次結婚ピークがとうに始まっている。

夏子は今週末にある婚活パーティーの申し込みをして、眠りについた。

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