第2部 第1章あらすじ!
第2部のあらすじのまえに、それまでのおさらい!
第一部は、ざっくりとこんな感じ――。
偉大なる『魔王カルナイン』は、『勇者アンジェリカ』なる少女との世界の命運をかけた戦いの最中、腹心の配下である『不死王』に裏切られてしまう。
そんなこんなで、魔王でなくなった魔王カルナインは、世界の果ての島『パンドラ』に辿り着いていた。
そこで、『フール』という新しい名を名乗り、なんか色々あった末――小料理屋(スナック)を営むロリエルフの『メイちゃん』の下に転がり込み、用心棒兼店長として新しい人生を送っていた。
そこに、かつての敵である勇者アンジェリカが転がり込んできて……。
借金のカタにマフィアに攫われたメイちゃんを、勇者と魔王が一緒に助けに行く。
メイちゃんが、行き倒れていた勇者アンジェリカを捨て猫感覚で拾う。
勇者アンジェリカが、スナックで後輩として働く。
フールが、アンジェリカを狙ってきた刺客を撃退してやる。
――などの、拳と心のふれあいの数々を経た末、勇者アンジェリカは、フールの仲間になったのだった。
これにて――かつての敵同士が、同じ主を得て、同じ屋根の下で、同じ釜の飯を食べて、暮らすことになりましたとさ。
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ここより、第2部!
かつての最大敵勢力『魔王討伐軍』を有するエドム国からの刺客を退けたフールは、勇者アンジェリカを懐かせて仲間にしていた。
流血沙汰をともなうゴタゴタを片付けて穏やかな隠居生活を取り戻していたフールは、懐かせたアンジェリカに混沌の都パンドラでの生き方を教えたりして、楽しく日々を過ごしていた。
持ち前の素直さと無邪気さから、すっかりパンドラの生活に溶け込んだアンジェリカだったが、突然、パンドラ国から死罪を言い渡される!
なんでも――全世界から指名手配されているアンジェリカを死罪にして、厄介払いにしてしまおうという話だ。
しかし、話をよく聞くと……アンジェリカを死んだことにする――つまり、『死を偽装』することで、外の世界で懸けられている指名手配を解除してしまおうというパンドラの策略だったと判明する。
パンドラ国は、魔王カルナインを倒すぐらい強力な勇者を味方にしたかったのだ。
そんなこんなで、偽装死によって勇者アンジェリカは死に、メイちゃんのスナックで働く新人ぽんこつホステス『アンジェ』となった。
これで勇者アンジェリカは、名実ともにパンドラの住人となり、フールとともに、メイちゃんのもとで衣食住をともにすることになる。
しかし、一難去ってまた一難。人生は上手くはいきません。
今度は――かつて、メイちゃんを借金のカタに誘拐したマフィアの豚オヤジが現れた!
豚オヤジは、メイちゃんを借金のカタにさらっておきながら、まだ借金の件についてカタがついてないと騒ぎ、そのうえ、『エロエロノーパンしゃぶしゃぶスーパー銭湯』木っ端微塵にされたことを逆恨みして、フールたちに襲いかかってきたのだ!
娼館をノリで破壊する強敵であるフールとアンジェに対して、豚オヤジが強力な兵器をぶつけてきた!
その名も『機械巨人』!
魔法と機械の奇天烈文明で栄えるパンドラが誇る特殊兵器だ!
唸るエンジン! 噴き上がる蒸気! 進撃する鉄塊!
おそるべき機械巨人と悪辣マフィアが、フールたちに襲いかかるッ!
穏やかな隠居生活を望んでいるだけなのに!
なぜか、極悪闇金マフィアにしつこく付きまとわれる魔王様は、法外な借金に捕らわれたロリエルフ・メイちゃんを救うことができるのかッ!?
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登場人物紹介!
『魔王カルナイン』
世界に蔓延る無数の魔族を支配していた偉大なる魔王。
だが、現在は……魔王をやめて『フール』と名を変え、ロリエルフのヒモ同然の無職となっている。
腹心の裏切りと、仇敵・勇者アンジェリカとの激闘による負傷で弱体化、本来の力を取り戻すために、絶賛隠居中。
基本的に、『働かない、やる気がない、金がない』――と、仕事をやめるとこうなりがちという悪い見本のような生活を楽しく送っている。
隠居中だからか常に油断しきっており、うっかりするとすぐに死にかける。
だが、ひとたび本気を出せば、神にも等しい異次元の怪物を召喚する『神獣召喚』にて、すべてを退け、撃滅させる。
* * *
『勇者アンジェリカ』
魔族を倒して世界を救うべく戦う勇敢な少女。全人類の希望の星。
とはいえ、現在は……魔王を討伐した後、仲間の裏切りによって、『仕えていた王を殺した大罪人』として、世界規模で指名手配されている賞金首に成り果てている。
黙っていれば絶世の美少女だが、喜怒哀楽が激しくとにかく騒がしい。
性格は、著しく素直がゆえにか、とんでもないおバカ。
元勇者だけあって、やたらと腕っぷしが強い。
メイちゃんに拾われてスナックで働くようになるも、ホステスとしての技能は水割りもまともに作れないポンコツ。
* * *
『メイ』
パンドラでの魔王の身元引受人兼保護者。
人間の父とエルフの母の間に生まれたいわゆるハーフエルフの少女。
ひょんなことがあって、パンドラに流れ着いた魔王を拾った。そして、とある『契約』を結び、魔王に衣食住を提供する代わりに身の回りを守らせている。
いなくなった父親の借金の返済を工面しながら小料理屋を営んでいるため、幼いながらも料理上手な敏腕経営者。
街の人気者で、『メイちゃんの笑顔』目当てに訪れる常連客も多い。
パンドラを支配する邪悪なる魔女の血が入っているため、怒らせるととても凶暴でこわい
その反面、優しいときは、聖母のような優しさを発揮して、小さな怪我や腹痛をたちまちのうちに治してしまう『治癒魔法』を使ってみんなを癒してくれるときもある。
* * *
『プリシラ』
メイちゃんの従姉。
狐の半獣人であり、頭には三角の耳、お尻にはふわふさの狐のしっぽが生えている。
テレーザ商会の頭目であり、パンドラ国内での物資販売が生業。
商人らしい飄々とした性格で、おっとり系の間延びした話しかたをしているが……ひとたびキレると獣人の性丸出しの凶暴さを見せつける。
* * *
『ヨーゼフ』
メイちゃんのおじいちゃん。
厳つい筋肉ハゲジジイ。
パンドラ王国の将軍であり、王立騎士学校の校長も務めるパンドラ騎士団将軍。
とても偉い人なのだが、女癖の悪いドスケベジジイなので、フールに嫌われており、たびたび馬鹿にされている。
全身に彫られた魔法陣の入れ墨の効果により、肉体を鋼に変える魔法を使う。
サキュバスのリリムちゃんと浮気をしているとか、いないとか。
* * *
『豚オヤジ』
歓楽街を取り仕切るブッチャーファミリーのドン。
メイちゃんの父親に借金を背負わせ、メイちゃんの生活を蝕む悪人。
長年の夢の結晶である『エロエロノーパンしゃぶしゃぶスーパー銭湯』をフールとアンジェに破壊されたときに死んだと思われたが、ちゃっかり生きていた。
恨みを晴らすために再登場。
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