スマートフォン

寒い日は手が冷たい。冷え性にはつらい季節だ。

あまりに手がかじかんで、スマートフォンを落としてしまった。

「落としましたよ」

あの男が私のスマートフォンを拾って渡した。

指が触れる。

あの男は私の指の冷たさに驚く。ハッとした顔をして指先を見る。

あの男の指は温かい。熱いようにすら思う。


私はこの温かい指に、ずっと触れたかった。

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