知り合いの知り合い
「ちょっと話いいですか?Aさんが車を出してくれる件ですけど……」
そこで別の男があの男に話し掛けた。
「その子がお前の話してた子?」
あの男の知り合いらしい。彼は笑顔で私に挨拶した。
「こんにちは。いつも面白いって聞いてます」
「芸人だと思われてるんでしょうね」
「ふっはは!良いですねぇ!」
あの男は「用事を思い出した」と席を立ち、知り合いを連れて部屋を出た。
「またねー」
あの男の知り合いが手を振っていた。どこまでも明るい人だ。
昼になる。
生理はどうして一日で終わらないのだろう。
食堂のテーブルに突っ伏しているとあの男がまた話し掛けて来た。
何故だろう、周りをキョロキョロ見て早口になっている。
「Aさんが車を出してくれる件ですけど、10時に出るそうです」
「わかりました。私具合悪いんでもう寝ていいですか?」
目を閉じようとするとあの男の知り合いが私達を見つけて近付いて来た。あの男は素早く立ち上がり、知り合いへ駆け寄る。
「あれ?まだ話さないの?」
「もう話終わったから、他の用事あるから」
あの男は知り合いを連れて急いで食堂を出た。
あの男は知り合いの背中を押して、私の寝顔を隠したように見えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます